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「膝枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

膝枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
は気附かなかったようで、 「お前は、きっと、女に惚《ほ》れられるよ」 と自分の膝枕で寝ながら、無智なお世辞を言ったくらいでした。 しかしこれは、おそらく、あ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
も。第一この疝《せん》に障《さわ》りますのでな」 と遠慮がちに訴うるは、美人の膝枕せし老夫《おやじ》なり。馬は群がる蠅《はえ》と虻《あぶ》との中に優々と水飲み....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ていた。 「さっきもどうなされた。お身さまも何か叱られたか、睨まれたか」と、彼に膝枕をかしていた女が、薄い麻紙で口紅をぬぐいながら訊いた。 「いや、別に何事もな....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
それからまた方角を変えて祇園へ来て、ようようその居どころを突きとめると、兄は女の膝枕で他愛なく眠っている。源三郎はもう我慢も勘弁も出来なくなって、不平と疳癪《か....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
か、江戸にゆかりの眉間傷を軽くのせて、この世の極楽ここにありと言いたげに、悠々と膝枕の夢を結んでいるのでした。のみならず不思議なのはその女です。さぞやおどろくだ....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
ショ…… 月は涯てし――も――ヨッコラ波枕ヨオ――いつか又ア――女郎衆のオ――膝枕ア――」 と来るんだから遣り切れないだろう。海国男児の真骨頂だね。 その....
薬草取」より 著者:泉鏡花
いていたばかり。尤も白姥の家に三晩寝ました。その内も、娘は外へ出ては帰って来て、膝枕をさせて、始終|集って来る馬蠅を、払ってくれたのを、現に苦みながら覚えていま....
南地心中」より 著者:泉鏡花
奴が、ずるずると辷って、それなり真仰向けさ。傍若無人だ。」 九 「膝枕をしたもんです。その野分に、衣紋が崩れて、褄が乱れた。旦那の頭は下掻の褄を裂....
星女郎」より 著者:泉鏡花
で、はっと思うと、私も仰向けに倒れたんです。 やがて、気のついた時は、少い人の膝枕で、貴婦人が私の胸を撫でていました。」 三十三 「お先達、そこ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ら云うたのも棄てがたい。 巻十四(三四五七)に、「うち日さす宮の吾背は大和女の膝枕くごとに吾を忘らすな」というのがある。これは古代の東歌というよりも、京師から....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
った。眼を開けていることも出来なくなった。そこで彼は眼を閉じた。 そう、主税に膝枕をさせ、介抱している女はあやめであった。鼠小紋の小袖に小柳繻子の帯、紫の半襟....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
振りも一段あがりて村様村様と楽な座敷をいとしがられしが八幡鐘を現今のように合乗り膝枕を色よしとする通町辺の若旦那に真似のならぬ寛濶と極随俊雄へ打ち込んだは歳二ツ....