膨らむ[語句情報] »
膨らむ
「膨らむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膨らむの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
/\病家に無駄な金を使わせるようなものだ。高価な薬をあたえれば、医者のふところは
膨らむが、病家の身代は痩せる。医は仁術で、金儲け一点張りではいけないなどと云う。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と思ったがそれは遠い。このふっくりした白いものは、南無三宝仰向けに倒れた女の胸、
膨らむ乳房の真中あたり、鳩尾を、土足で蹈んでいようでないか。 仁右衛門ぶるぶる....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、影を飲み光を吸うよう、二つ三つ息を引くと、見る見る衣の上へ膚が透き、真白な乳が
膨らむは、輝く玉が入ると見えて、肩を伝い、腕を繞り、遍く身内の血と一所に、月の光....
「図書館法楽屋話」より 著者:中井正一
気の中をいかに通りぬけるか、そこに流線型化の意味があるのである。つまり、いつでも
膨らむ用意をもちながら、一見何の経費を要せぬ屁のような法案と見えるものとして装わ....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
の上に落ち散る。重く血を満した凡ての果実が、黄いろい月、そのふくよかな光のうちに
膨らむ。月が動き、凡ての泉が輝き、荘厳の大諧調|立所に目をさます。その時雲が急に....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
の物を少しずつ中間《あいだ》を離して入れます。あんまり密着《くっつ》けて入れると
膨らむ時中で互《たがい》に着いてしまいます。それをカステラの通りな火加減で十分間....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てくる。 ふところから餅を出して、武蔵は、それを焚火であぶった。焦げて、ぷーと
膨らむ餅を見ていると、またしても、彼は少年の頃の正月を思い出し、家なき子の感傷が....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
る箆目のするどさと。……ウウム、どっちともいえない非凡人の芸の冴えだ)
肋骨が
膨らむように息がつまってくる。――何ゆえにという説明は彼にもつかないのである。巨....