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「膳殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

膳殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てしまうと、伊太夫の苦い面が少しく釈《と》けかかってきました。 「お組頭で神尾主膳殿……」 と言って腕組みをしました。伊太夫の顔色が和《やわら》いだのを見て、市....
丹下左膳」より 著者:林不忘
与吉。 とたんに、源三郎の大声で、 「ナニ? 丹下左膳が近くにおると? オイ左膳殿! オーイ、丹下……!」 なつかしそうな声でよばわりながら、ガサガサと草を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
追いかけるように一人の女が雪洞《ぼんぼり》を差し出しています。 「神尾殿、神尾主膳殿」 廊下を歩いて来る人は、二間も三間も隔たった向うから神尾の名を呼ぶ。その....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
の様子一ツで立上るつもりである。 「遊佐殿も方々も御手あげられて下されい。丹下右膳殿御申出通りに計らい申しましょう。」 人々は皆明るい顔を上げた。右膳は取分け....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「今時分、何しにここへ来られた」 「ちと用事あって」 「何用があって」 「神尾主膳殿まで罷《まか》り越《こ》したく」 「神尾主膳殿方へ? して貴殿は何者」 「拙....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
敷へ来るのであります。 「机氏、机氏」 と言って竜之助を呼びました。 「おお、主膳殿か」 竜之助はそれを知って、燈火を吹き消すことをやめて、冠《かぶ》っていた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ましょうが、江戸の外《はず》れの染井の伝中というところの、ある屋敷の中で、神尾主膳殿というお方のために、わたくしは生きながら深い井戸の底へ投げ込まれてしまいまし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
尾主膳の屋敷を行先のように出鱈目《でたらめ》に言ってしまったことです。 「神尾主膳殿へ?」 と言って辻番は、ややけねんを持つように、お銀様を見廻していたが、 「....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
くれ」 「そりゃいけません」 「なぜいかんのだ」 「そりゃいけません」 「神尾主膳殿に会いたいのだ」 こう言って引き寄せた兵馬の言葉が、あまりに鋭かったから金....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かみしも》をつけたままで鈴木安芸守が、神尾主膳に対面して、 「これはこれは神尾主膳殿、珍しいことではござらぬか」 「いや、津の国の、何を申すもお恥かしい次第だが....
丹下左膳」より 著者:林不忘
あせる指先を愚弄するように、天井は、まだ一、二寸高い。 「とびはねてくれぬか、左膳殿」 「そんな曲芸はできぬ。またヒョイと飛んだところで、お主《ぬし》の手のほう....
魔像」より 著者:林不忘
これとは違う。一番首、二番首、三番首、四番首――大迫玄蕃殿、浅香慶之助殿、猪股小膳殿、松原源兵衛殿……そして、この、吹きまくる大暴風雨のような恐慌《きょうこう》....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
は途々彦兵衛の話に耳を傾けた。青蛙が一匹、そそくさと河岸の柳の根へ隠れる。奥平大膳殿屋敷の近くから、脇坂淡路守の土塀に沿うて、いつしか三人は芝口を源助町《げんす....