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膺懲
「膺懲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膺懲の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
せられ、今般外国公使の入京参朝を仰せ付けられた次第である、と告げてある。もとより
膺懲のことを忘れてはならない、たとい和親を講じても曲直は明らかにせねばならない、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
が士族仲間から頭を持ち上げて来ましたぜ。征韓、征韓――あの声はどうです。もとより
膺懲のことは忘れてはならない。たとい外国と和親を結んでも、曲直は明らかにせねばな....
「日清戦争異聞(原田重吉の夢)」より 著者:萩原朔太郎
孔孟《こうもう》の生れた中華であったが、今は暴逆無道の野蛮国であるから、よろしく
膺懲《ようちょう》すべしという歌が流行《はや》った。月琴《げっきん》の師匠の家へ....
「惜別」より 著者:太宰治
、私たち学生も、正貨流出防止のため、羊毛の服は廃して綿服にしようとか、金縁眼鏡の
膺懲とか、或いは敵前生活と称して一種の我慢会を開催したり、未明の雪中行軍もしばし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
出た! 熊だ! 危ない! 熊だ!」 という叫喚が聴衆の後ろの方から起って、道庵|
膺懲《ようちょう》のために総立ちになった聴衆に裏切りが出たもののように、まずその....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。ねえ、ジャネーが云ってるだろう。肉体にうける苦痛を楽しむよりかも、精神上の自己
膺懲に快楽を感ずると云う方が、よりも典型的なマゾヒィストだと。そう云う風に非常に....
「風博士」より 著者:坂口安吾
ここに於てか諸君、余は奮然|蹴起したのである。打倒蛸! 蛸博士を葬れ、然り、
膺懲せよ、憎むべき悪徳漢! 然り然り。故に余は日夜その方策を練ったのである。諸君....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
権謀術数と、ある意味における暴力とを基とし、表面には立たず裏面にいて田沼の横暴を
膺懲するのだ。……私のような人間も必要だ」 「必要の段ではございません。大いに必....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
会を開くことにした。 ところが相撲部など運動部を中心とする右翼学生が『売国奴を
膺懲し、軍事研究団を応援しろ』というビラをはり、大会をつぶしにかかった。私は相撲....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
戦地の食物衛生 第一 病気の敵 今や我邦《わがくに》は露西亜《ろしあ》に向って
膺懲《ようちょう》の師《いくさ》を起しました。我が海陸軍は連戦連勝の勢いで頻《し....
「三国志」より 著者:吉川英治
いるのであろう。いかで彼の野望に先君の後室や、わが妻を贄に供されよう。破邪の旗、
膺懲の剣、われに百千の水軍あり、強兵肥馬あり、誓って、彼を撃砕せずにはおかん」 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
れば、朕が大蜀皇帝として立った意義はない」 「あいや、骨肉のうらみも、不忠の臣の
膺懲も、要するに、それは陛下の御私憤にすぎません。蜀帝国の運命はもっと重うござい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
期のように、寄り寄り、若公卿ばらの悲憤やら密会となって、君もまたついには、武家の
膺懲を思し立たれ、笠置に籠り、隠岐ノ島に配所の月を見るなど、おん身に馴れぬ矢石の....