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臍
「臍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
臍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
全財産に対する要求をする事の無益なのも知っていた。で「犬にやるつもりでいよう」と
臍《ほぞ》を堅めてかかったのだった。今、あとに残ったものは何がある。切り回しよく....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
院する日が来た。お前たちの母上は全快しない限りは死ぬともお前たちに逢わない覚悟の
臍《ほぞ》を堅めていた。二度とは着ないと思われる――そして実際着なかった――晴着....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ッ腹の太り肉《じし》、太鼓《たいこ》を張ったくらいに、すべすべとふくれてしかも出
臍《でべそ》という奴《やつ》、南瓜《かぼちゃ》の蔕《へた》ほどな異形《いぎょう》....
「古狢」より 著者:泉鏡花
その劃の外側を廻って、右の権ちゃん……めくら縞の筒袖を懐手で突張って、狸より膃肭
臍に似て、ニタニタと顕われた。廓の美人で顔がきく。この権ちゃんが顕われると、外土....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
処は豪勢だが、下腹がこけて、どんつくの圧に打たれて、猫背にへたへたと滅入込んで、
臍から頤が生えたようです。 十四五枚も、堆く懐に畳んで持った手拭は、汚れてはお....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
へ顕われるのを見ると、そりゃ、そりゃ矢藤さんがおいでになったと、慌しく鬱金木綿を
臍でかくす……他なし、書画骨董の大方を、野分のごとく、この長男に吹さらわれて、わ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
走らせた。 この会計だが、この分では、物価|騰昇寒さの砌、堅炭三俵が処と観念の
臍を固めたのに、 「おうう、こんな事で。……光栄です。」 「お給仕の分もついてお....
「橋」より 著者:池谷信三郎
のナポリで、……と彼が言いかけると、いいえ違ってよ。これは英語の navel、お
臍って字から訛ってきたのよ。ほら、ここんとこが、お
臍のようでしょう。英語の先生が....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
面で顔も胴位あろう、白い髯が針を刻んでなすりつけたように生えている、頤といったら
臍の下に届いて、その腮の処まで垂下って、口へ押冠さった鼻の尖はぜんまいのように巻....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
のを持って腰の廻りを巻いてるから、帯でもするかと見ると、振ら下った腸で、切裂かれ
臍の下へ、押込もうとする、だくだく流れる血の中で、一掴、ずるりと詰めたが、ヒイッ....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
るけれど、自分じゃあ、その爪さきも分りはしまい。何でもあんなに腹のふくれた人は、
臍から下、膝から上は見たことがないのだとそういいます。あら! あら! 短服に靴を....
「多神教」より 著者:泉鏡花
下より神職の手に伸上る。) 笛の男 (おなじく伸上る)手首、足首、腹の真中(我が
臍を圧えて反る)ひゃあ、みしみしと釘の頭も見えぬまで打込んだ。ええ、血など、ぼた....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
のが、と見る間に、二ツ三ツ団扇ばかり動いたと思えば、くるりと仰向けになった胸が、
臍まで寛ける。 清水はひとり、松の翠に、水晶の鎧を揺据える。 蝉時雨が、ただ....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
て、そこに立命の基礎を作り、またあるいは深奥なる宗教的見地に居って、そこに安心の
臍を定めるという世にいわゆる学者、宗教家達とは自らその信仰状態を異にする気の毒さ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
して謙屈な土地柄だから、閣翁は、衆に仰向けに反らしたちょうど同じ角度に、その頤を
臍に埋めて、手を垂れた。 「――間違うても構わんです。あんた方の銅像に対する、俊....