» 臍繰

「臍繰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

臍繰の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
《つか》い果たしたものか、昨夜突然高林家に忍び入って恩師を縊《くび》り殺してその臍繰りと名器の鼓を奪って逃げた。 ▲彼は数日前から高林家の門前に乞食|体《てい》....
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
いてできたものではない。親父《おやじ》が額に汗を出した記念だとかあるいは婆さんの臍繰《へそくり》だとか中には因縁付《いんねんつ》きの悪い金もありましょうけれども....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
大師様や、妙法様の信心ごとの交際《つきあい》なぞには決して出て来ない。のみならず臍繰金《へそくりがね》を高利に廻して、養蚕《ようさん》や米の収穫後になると透《す....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、薄気味わるい眼付の男だった。 「お蔭さまで、助りますよ」歯の抜けたお婆さんが、臍繰り金の財布を片手でソッと抑えながら、これに和した。 「だが、毒瓦斯が来ると、....
縮図」より 著者:徳田秋声
出してみたらどうかね。」 母が言うので銀子もその気になり、いくらかの手持と母の臍繰りとを纏めて株を買い、思ってもみなかったこの商売に取りついたのだった。銀子の....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
付かせないように、極力警戒しているんだからね。北洋工船、黒潮漁業の両会社は彼奴の臍繰り金で動いていると云っていい位だ。……その次が現在大阪で底曳大尽と謳われてい....
近眼芸妓と迷宮事件」より 著者:夢野久作
かし一方に養母が、芝居と、信心と、寝酒の道楽を初めて、死んだ金兵衛の伝でグングン臍繰をカスリ取る上に、良い縁談をみんな断ってしまうので、愛子は朝から晩まで店の稼....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
で……ヘエ。 十五になって高等小学校を出ると直ぐに紺飛白の筒ッポを着て、母様の臍繰をば仏壇の引出から掴み出いて、柳町へ走って行きましたが、可愛がられましたなあ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
「船を作ろうとして、シリンドルと、シャフトを鋳造したいと申したら、久光が、由羅の臍繰《へそくり》から、捲上げて来てくれた。大名の子供は、何処でも仲のよくないもの....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
体俺の頓智が、どの位い世の為めになってるか? これが第一疑わしい。せいぜい殿下の臍繰を攫って、施米するぐらいがオチでは無いか。そうして殿下の我儘は、そのため毫も....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
妻の手から、こういう訳でこれこれ金が要るからくれろと言わなくてはならん。もし夫が臍繰金を持って居ることが分ると、大いに妻が怒ってその夫に喧嘩を仕掛け甚しきは夫の....