臓物[語句情報] »
臓物
「臓物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
臓物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
「だから、その、……待てよ、なあんだ、女か」 「ついでに、女のシノニムは?」 「
臓物」 「君は、どうも、詩《ポエジイ》を知らんね。それじゃあ、
臓物のアントは?」....
「放浪」より 著者:織田作之助
ねといわれると、え、そうでんねと揉手をし、串の勘定も間違い勝ちだった。それでも、
臓物の買い出しから、牛丼の飯の炊出し、鉢洗い、その他気のつく限りのことを、遊んで....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
う。色は不鮮明に黝《くろず》んで、翅体《したい》は萎縮《いしゅく》している。汚い
臓物で張り切っていた腹は紙撚《こより》のように痩《や》せ細っている。そんな彼らが....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
! 何だって? 馬が腹をやられた? 牛の角に触れて?――あ! そうだ、数本の馬の
臓物がぶら下って、地に垂れて、砂にまみれて、馬脚に絡んで、馬は、邪魔になるもんだ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
盛りあがった傷痕の ケロイドのつるつるの皮膚にひきつって 濡れた軌条がぬたくり
臓物の臭う泥道に 焼け焦げた並木の樹幹からぶよぶよの芽が吹き 霖雨の底で 女の瞳....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
は昼食の用意に豚肉やパンやブランディーを背負った。こういう食糧が皆もとは味方の貯
臓物であったのを私は見て取った。それでシルヴァーが前晩言った言葉のほんとうである....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
年十二月十六日、茗荷谷の切支丹坂に幸三と申す若者がノド笛を噛みきられ、腹をさかれ
臓物をかきまわされて無残な死体となっておりました。肝臓が奪われておりますので、業....
「露の答」より 著者:坂口安吾
相を口外するなと申し渡したそうですが、五郎兵衛が落付いているので、手の指の間から
臓物がたれ落ちていても、家人は傷が浅いのだと思っていた。実は瀕死の重傷でした。五....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
も一般家庭で食べるわけにいかない食べ方である。 アンコウの身のうまいところと、
臓物のうまいところだけ、まず取りわける。残ったのを骨も皮も肉も
臓物も頭も一しょく....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
行ってくるといって、そいつをもって帰ってくる。そこですぐさまもとの服装にかえり、
臓物を新聞紙に包んで法医学教室を抜け出す。どうだい? これなら、そんなにむずかし....
「鮟鱇一夕話」より 著者:北大路魯山人
らいだ。その代わり、他の部分は全部所望する。他の部分とは、吊り切りにした皮、鰭、
臓物、とりわけ肝である。というわけで、肉が食いたくてあんこうを買う者はまずないで....
「妻」より 著者:神西清
しない、長いまをおいて(その合間合間に私たちは果実酒を飲んでいた)、鳩の肉汁が、
臓物が、焙った仔豚が出、鴨、鷓鴣、花甘藍、クリーム入りのまんじゅう、ミルクをかけ....
「放浪」より 著者:織田作之助
ねといわれると、え、そうでねんと揉手をし、串の勘定も間違い勝ちだった。それでも、
臓物の買い出しから、牛丼の御飯の炊出し、鉢洗い、その他気のつく限りのことを、遊ん....
「知らずや肝の美味」より 著者:北大路魯山人
のひとつに加わっているが、これは単に肝のみを利用しているのではない。苦肝を去った
臓物全部を仮りに肝と称して使っているのである。単に肝だけとしたら、取立てていうほ....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
のように咲いていた。乾からびた妙な物が炉の上に吊してある。何かと聞いて見れば熊の
臓物であるという。里程表に、五味平へ十九町、別道へ二十二町、黒薙温泉へ三十二町、....