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「臥す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

臥すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
れて熱情を湧かし得るものがあるかどうか。 説をなすものはさらにいう。畳の上に坐臥する日本の風習は彼らのわらいを買うからおもしろくない。百姓の生活は見せないほう....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
舎には床上更に五寸の仮床を造り得た。かくて二十頭の牛は水上五寸の架床上に争うて安臥するのであった。燃材の始末、飼料品の片づけ、為すべき仕事は無際限にあった。 ....
西航日録」より 著者:井上円了
がごとし。ときどき惰気眠りを促しきたり、筆を執るにものうし。ただ終日、甲板上に横臥するのみ。余よっておもうに、人の脳漿はバターに似たるか、暑気の加わるに従い、融....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
れども風また熱し。夜に入るも暑さなお減ぜず、海水の温度は八十度に達し、甲板上に横臥するも、なお発汗を免れず。朝六時に日昇りて、夕六時に没し、没後ただちに暗黒とな....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
らざるも、将来のことは当たり難し」と。それはともかくも、同家に一人の病者(別席に臥す)あり。その生死をうかがいしに、「本年某月某日に死す」と告げ、また同席の未婚....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
んとだと思います。何も彼もが師匠は豪いという気がしてる弟子の目には、師匠の行住座臥すべてが憧れの的であるのは当然だと思います。絵は勿論のことです。ですから弟子が....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ぞお先へ……」 僕は逡った。尼僧にもせよ、相手は若い女であった。それが一つ床に臥すのはどんなものだろうか。 「お先へお臥しなされませ。――」 尼僧はくりかえ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
見られざる壮観を呈するに、酒ますます味を加う。天幕は張らずに敷きて、一同その上に臥す。焚ける火が一同の掛布団也。 三 大雪山の第二夜 塩谷温泉の連中は....
死者の書」より 著者:折口信夫
日、そのあたりに動いている。 都から来た人たちの中、何時までこの山陰に、春を起き臥すことか、と侘びる者が殖えて行った。廬堂の近くに掘り立てた板屋に、こう長びくと....
青木の出京」より 著者:菊池寛
とを、無上の光栄のように欣んでいた。 青木が、近藤家に寄寓して、雄吉と同室に起臥することになったのは、それから間もなくのことであった。今までもそうであったが、....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
さして流れ下る。小舟の中にはヨハナーンの姉、白衣に包まれ白き百合の花に飾られて仰臥す。眼は見開けども瞳定まらず、ただ仄明るき空を見るのみ。空には小さき月ありて、....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
眠りに就くに、今宵は蚊もなければ蚊屋も吊らで、しかも涼しきに過ぐれば夜被引被ぎて臥す。室は紙障子引きたてしのみにて雨戸ひくということもせず戸の後鎖することもせざ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
取落して、恋の叶わず思の切れぬを流石男の男泣き、一声|呑で身をもがき、其儘ドウと臥す途端、ガタリと何かの倒るゝ音して天より出しか地より湧しか、玉の腕は温く我|頸....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
寸前言した如く、巻九(一六六四)に、雄略天皇御製歌として、「ゆふされば小倉の山に臥す鹿の今夜は鳴かず寐ねにけらしも」という歌が載っていて、二つとも類似歌であるが....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
るに、土坐に莚を敷てあやしき貧家也。灯もなければ、ゐろりの火かげに寐所をまうけて臥す。夜に入りて、雷鳴、雨しきりに降て、臥る上よりもり、蚤蚊にせゝられて眠らず持....