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「臥蚕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

臥蚕の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
いたが、剃りづけませぬよう、と父様の命令で、近頃太くしているので、毛虫ではない、臥蚕である。しかるにこの不生産的の美人は、蚕の世を利するを知らずして、毛虫の厭う....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
年の格好は五十歳あまりで、鬢髪に塩をまじえている。太くうねっている一文字の眉は、臥蚕という文字にうってつけというべきであった。鉄色の羽織を着ていたが、それは高価....
魔都」より 著者:久生十蘭
十五六、白銀のような白髪をオール・バックに撫でつけ、額には年の数ほどの皺もない。臥蚕の眉、引結ばれた大きな唇。団十郎《くだいめ》張りの張りのある眼に柔和な光を湛....
三国志」より 著者:吉川英治
誰か」 と、階下を見ると、その人、身の丈は長幹の松の如く、髯の長さ剣把に到り、臥蚕の眉、丹鳳の眼、さながら天来の戦鬼が、忽として地に降りたかと疑われた。 「彼....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
郎岳は、其傾斜の緩い、そして恐ろしく長い山脚を南に投げ出して、恰も頭を北に向けた臥蚕に似ている。この二山の間には至仏山が群を抜いて高い。其右の肩にふわりと青黛を....