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自
「自〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
する。父親は勿論こう云う少年を時々叱ったりしないことはない。が、稀《まれ》には彼
自身も少年のいることを忘れたように帽子屋《ぼうしや》の飾り窓などを眺めている。
....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
私の占いは五十年来、一度も外れたことはないのですよ。何しろ私のはアグニの神が、御
自身御告げをなさるのですからね」 亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した覚え....
「狂女」より 著者:秋田滋
ことのように覚えている。石が凍って割れるような寒い日のことだった。痛風がおきて僕
自身も身動きが出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。折しも僕は重....
「墓」より 著者:秋田滋
だけが、一種名状しがたい、深い、云い知れぬ興奮で、わたくしの心を揺ぶるのでした。
自分の掌のなかに彼女の手を把り緊めていると、わたくしのこの胸には、それまで想像だ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
場合に世間ではよく恋愛関係の悲劇を探したり想像してみたりする。あるいはまた、その
自殺を何か金銭上の失敗の結果ではあるまいかと考えてみる。結局たしかなところを突止....
「初雪」より 著者:秋田滋
めた顔はこの世のひとの顔とも思われない。そして頻りに咳をした。彼女はそのたびに、
自分の精根を涸らしてしまう、込み上げて来るその動揺をおさえようとするためなのであ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
り。余は父よりは伯父に愛せられて、幼きより手習学問のこと、皆な伯父の世話なりし。
自ら言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父は....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た人であることが必要であると同時に多少文才のあることを要する。悲しいかな、著者は
自ら顧みて、決してこの二つの条件を備えておるとは思わない。ただ最初の試みをするの....
「寡婦」より 著者:秋田滋
髪は、そのなかの最後の男のものなのです。その男は、十三の年に、私のことがもとで、
自ら命をたって果てたのです。変なことだとお考えになるでしょうね。 まったく、一....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
高い胡桃の木の林だった。わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど午どきで、
自然はことのほか静かで、わたしは
自分の銃のとどろく音にもおどろいたものだ。銃声は....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
みのうちにめッきり老けてしまった。 とうとう家もひと手に渡してしまい、夫婦は、
自分たちの手で息子の行方を尋ねようとして住みなれた村を後にした。 とある山の中....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
五一年六月二十日―― 私は会議室から出た。私はブロンデルを死刑にした。彼はなぜ
自分の五人の子を殺害したのだろう。なぜだろう。生命を絶つことが一つの快楽であるよ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
。久作さんは、何んでも、彼でも、探偵小説にせずにはおかないと云った、熱と、力量は
自分乍らも相当
自身があっただけに、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ました。 「この金はとにかく、己らが預って置くことにすべい。」 と伊作はさっさと
自分の腹へ巻きつけようとしましたので、それを見た多助は、大変に怒って、伊作と喧嘩....