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「自ずから〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自ずからの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
こともやれば、石刷りを版木に模刻して印刷をする彫版師のような仕事もした。そこから自ずから彼は表具もやれば刀を採って、木彫|篆刻の業もした。字は宋拓を見よう見真似....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
って前後十何年の丹精を費やした努力の賜であった。 図書館の設備と書店の用意とは自ずから異なってるから、丸善に備えつけた目録を図書館に需めるは不当であろうが、日....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
に米塩の為め働くというのは生活上非合理であって、米塩は其職業に労力した結果として自ずから齎らさるゝものでなければならぬ。然るに文学上の労力がイツマデも過去に於け....
男女関係について」より 著者:大杉栄
、保子の他の女に対する、および神近の他の女に対する、心持の動きかたや進みかたと、自ずから異なるところがある。 最初は、僕に他の女のあるということが、どうしても....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
から今までに覚えたことの無い明るい、しんみりした気持ちにさせられて、合せた手にも自ずから力が入りおやおや涙が出ると自分で不思議がるほど甘い軽快な涙が自然に瞼をう....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
る事は出来ない。この問題が定まれば乃ちその目的を達するに最も近い最も適する文章が自ずから将来の文体となるのである――」という趣旨であった。 この答には私は意外....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
生命を宿している。古人の先蹤を追った歌舞伎十八番のようなものでも椿岳独自の個性が自ずから現われておる。多い作の中には不快の感じを与えられるものもあるが、この不快....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
は飲んだり喰ったりして遊ぶ事が以前から嫌いだったから、緑雨に限らず誰との交際にも自ずから限度があったが、当時緑雨は『国会新聞』廃刊後は定った用事のない人だったし....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
だと嘲っていた。独り他人を軽侮し冷笑するのみならず、この東洋文人を一串する通弊に自ずから襯染していた自家の文学的態度をも危ぶみかつ飽足らず思うて而して「文学には....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
全的生活は他日再び伝うる機会があるかも知れないが、今日はマダその時機でない。かつ自ずから別に伝うる人があろう。本篇はただ僅かに故人の一生の輪廓を彷彿せしむるため....
大田垣蓮月尼のこと」より 著者:上村松園
が、維新の混乱期にあって女ながら日本のゆくべき道を極めてあやまらなかったことは、自ずから皇国護持の精神を発揮したものといってよい。 しかも、内に滔々たる勤皇の....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
た天が下に遍満して行き渡らざる所なき比喩に用いらるるものであってみれば、これまた自ずから、本来同一状態の下にいる漂泊性人民の仲間であったらしく推測せられるのであ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
み、あるいは平等を愛し、差別を憎んでそうするのではありません。差別にも平等にも、自ずからそれ相当の価値と限度があって、病に対する対症療法のようなものです。物事、....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
仏教に帰依せしめ、必ず何らかの寺院の檀徒なるを要とするに至って、彼らを忌むの念は自ずから一般に普及するに至ったのに相違ない。しかも一般世人が特に彼らを嫌悪し、当....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
、京人の為に掃除・皮細工その他の賤業に従事し、或いは屠者の群などに投じたが故に、自ずから石原里すなわち小島なる餌取の末路と同じく、身分職業の類似からエタ仲間にな....