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自分ながら
「自分ながら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自分ながらの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
たのでございます。
するとその話がきまった頃から、妙に私は気が鬱《うつ》して、
自分ながら不思議に思うほど、何をするにも昔のような元気がなくなってしまいました。....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
、現についている時には、全然結果の予想などをする余裕は、無いのである。
平吉は
自分ながら、何故そう嘘が出るのだかわからない。が人と話していると自然に云おうとも....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ば、泥濁《どろにご》りのした大川のなま暖かい水に、限りないゆかしさを感じるのか。
自分ながらも、少しく、その説明に苦しまずにはいられない。ただ、自分は、昔からあの....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
近くの間、自分は全く樗牛を忘れていた。ニイチェを読んだ時も思い出さなかったのは、
自分ながら少々不思議な気もするが、事実であって見れば、もちろんどうするというわけ....
「或る女」より 著者:有島武郎
人を見迎え見送るので、青年が物慣れない処女《しょじょ》のようにはにかんで、しかも
自分ながら自分を怒《おこ》っているのが葉子にはおもしろくながめやられた。
いち....
「或る女」より 著者:有島武郎
はいたずら者らしくひとり笑いをしながら立《た》て膝《ひざ》をしてみたが、それには
自分ながら気がひけたので、右足を左の腿《もも》の上に積み乗せるようにしてその足先....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
は三十七だった。帽子を被って二重マントを着た、護謨《ゴム》長靴ばきの彼れの姿が、
自分ながら小恥《こはずか》しいように想像された。
とうとう播種時《たねまきどき....
「片信」より 著者:有島武郎
打ち明け話に兄にいっておいたことを、このごろになってやっと実行しようというのだ。
自分ながら持って生まれた怯懦《きょうだ》と牛のような鈍重さとにあきれずにはいられ....
「星座」より 著者:有島武郎
また言わないでもいいことを言い続けているような気|尤《とが》めがした。園は今日は
自分ながらどうかしていると思った。それでこれまでの無駄事《むだごと》の取りかえし....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
う理由で私は欲求を抛つことが出来ない。それは私として何という我儘であろう。そして
自分ながら何という可憐さであろう。 太初の事は私の欲求をもってそれに私を結び付....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
「ねえ……ほほほ。……」 笑ってちょっと口籠って、 「ですがね、こうなると、
自分ながら気が変って、お前さんの前だと花嫁も同じことよ。……何でしたっけね、そら....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ちを向いて、」 ほとんど樹の枝に乗った位置から、おのずと出る声の調子に、小県は
自分ながら不気味を感じた。 きれぎれに、 「お恥かしくって、そちらが向けないほ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
にもよく判りませぬ。私などはとりわけ、きびしい修行を仰せつけられた一人のようで、
自分ながら不思議でなりませぬ。矢張りこれも身魂の因縁とやら申すものでございましょ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
フレンチの胸は沸き返る。大声でも出して、細君を打って遣りたいようである。しかし
自分ながら、なぜそんなに腹が立つのだか分からない。それでじっと我慢する。 「そり....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
沙魚を対手にしてる連中と、違い無いさ。随分永らく釣を行った癖に、今夜の不首尾は、
自分ながら呆れるよ。それやこれやに就て、思えば思う程、浅草の方は感心で堪らぬ。彼....