自利[語句情報] »
自利
「自利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自利の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
、――たまらんです。と、いって、こっちの空気もたまらんです。恐らく、ぼくの願いは
自利的な支離滅裂な、ぜいたくなものでしょう。而し、いまのまま一月も同じ商人暮しが....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
がって小乗は単数、大乗は複数です。小乗は「私」ですが、大乗は「我等」です。小乗は
自利、大乗は
自利、利他です。
自利とは自覚、利他とは覚他です。自覚は当然覚他にまで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
下を潜《くぐ》って牛に著いた蠅を食う。天の経済に長ぜるかかる縁遠き二物をして各々
自利利他せしむと書いて、利はよく他人同士を和せしむというたは、義は利の和なりてふ....
「あそび」より 著者:森鴎外
している。手数の掛かった履歴である。 木村が文芸欄を読んで不公平を感ずるのが、
自利的であって、毀られれば腹を立て、褒められれば喜ぶのだと云ったら、それは冤罪だ....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
が国民に対して利他を実行することは決してないのである。この奇怪なる利他を正当なる
自利に置きかえることによつて我々は新しい道徳の基礎を打ちたてなければならぬ。 ....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
に苦楽相伴うの情態を知らずして、快楽の一方に着眼し、いわゆる丸儲けを取らんとする
自利の偏見にして、今の社会を害するのみならず、また後世のために謀《はか》りて許す....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
人のためにもなる光明と歓喜にあふれたものになって来るのであります。この状態を、「
自利、利他心平等」と言って、自分をよくし、他人をも同時に同じようによくするのです....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
、煩悩を断じて涅槃に入らんとするもので、灰身滅智を結局の目的としている。すなわち
自利の行者である。菩薩の如く利他の大行を行じて、結局は仏果を得るものというのとは....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
なきが如きもの」(『仏教大辞典』)と解している。口に衆生のために法を説かず、ただ
自利をのみもっぱらとすというもの正にこれに相当するが、声聞を羊に譬えたことをもっ....