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「自動電話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自動電話の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
すぐ玄関から表へ出た。そうして電車通りを半丁《はんちょう》ほど右へ行った所にある自動電話へ馳《か》けつけた。そこからまた急ぎ足に取って返した彼は玄関に立ったまま....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
…伊奈子さんか……ちょうどよかった……今どこからかけているの……」 「公園の中の自動電話よ」 「フーン。何の用?……」 「……あのね……昨夜《ゆうべ》妾《わたし....
少女地獄」より 著者:夢野久作
情夫? との密会所を警察に発見されたくないという考えから、その密会所付近の警察に自動電話をかけたものだそうです。 「妾は只今××の××という家に誘拐、監禁されて....
狂乱」より 著者:近松秋江
ようであった。後には、帳場に近いところで、女中や番頭などの耳に入るのが厭で、外の自動電話にいって呼び出したりしたこともあったが、いつも返事は同じことで、少しも要....
白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
話をかけた。 「お離れにいらっしゃいますから一寸お待ち下さい」 「もしもし、ここ自動電話だから早くしてね」 それでも、待つ時間が気になる頃、耕一が出て来た。 ....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
らい竹やぶを通りぬけ、宵の口にうちへ帰った。 八 翌日、伸子は自動電話で保をよび出した。そして、竹村の温室のことを話した。翌々日が日曜日だった....
泣虫小僧」より 著者:林芙美子
は、そう言って、青いハンドバッグの財布の中から五銭玉一つ出して、ガレージのそばの自動電話へ這入って行った。 「もしもし……お菅さん? ねえ、厄介なことなンだ。そ....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
とばかりを思っていたが、丁度その日になって、日本橋の辺を彷徨しながら、有り合せた自動電話に入って、そのお宮のいる沢村という家へ聞くと、お宮は居なくて、主婦が出て....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は今使いません。しかし裏の家主さんのところにあります。 家、きのう、正門の前の自動電話の横を入って一寸歩いて見ましたが、全然駄目ね。きょうこれからおひささんを....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
当らなかったので、電車通りから一寸はいった洋食屋の二階にした――それからわざわざ自動電話を探して、河野さんの家へ――光子へ――電話をかけた。私はごく冷静に落着き....
交遊断片」より 著者:豊島与志雄
斎に通ると、彼はこんなことを話し出した。 「君が帰るのを待つ三十分の隙つぶしに、自動電話に飛び込んで、さんざん交換手と喧嘩して来た。五銭銀貨一つで、あとは何度も....
貞操問答」より 著者:菊池寛
けてくれなどというのが、無理だった。手がるに電話を借りる家がなければ、この炎天に自動電話へ行かねばならず、などと考えて後悔しながら、あきらめ悪く、会社を出たのが....
魔都」より 著者:久生十蘭
もんじゃありゃしない。あいつ、どうかしている」 拡声器が喋言り出す。 (只今、自動電話、銀座の十二番から皇帝暗殺計画に関する重大な密告があるから警視総監に、と....
殺人迷路」より 著者:夢野久作
ら、これは何かのヒントじゃないかって戸田の奴が電話で云ってよこしたんだ。日比谷の自動電話を使って……」 「フーン。しかし夫れだけじゃ特種にならないね」 「だから....