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自家
「自家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
びに、自分もまた蔭では「馬琴が」と言われることだろうと思った。この軽薄な、作者を
自家《じか》の職人だと心得ている男の口から、呼びすてにされてまでも、原稿を書いて....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
の上へ倒れた。その時は腰を打っただけで、十分とたたない内に気がついたが、二度目に
自家《うち》の蔵の中で仆《たお》れた時には、医者を呼んで、やっと正気にかえして貰....
「路上」より 著者:芥川竜之介
には相違なかった。けれども彼には近藤の美的|偽善《ぎぜん》とも称すべきものが――
自家の卑猥《ひわい》な興味の上へ芸術的と云う金箔《きんぱく》を塗りつけるのが、不....
「星座」より 著者:有島武郎
班に通ずるを得ば、きわめて幸いなり」
園はこれだけのことを読む間にも、幾度も
自家の方のありさまを想像していた。想像したというよりは自分がずっと育ってきた東京....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
必死となりて、やわか後《おく》れじと焦《あせ》れども、馬車はさながら月を負いたる
自家《おのれ》の影のごとく、一歩を進むるごとに一歩を進めて、追えども追えども先ん....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
んか、眼界の外に渠らを送遣し得たりしならん。されども渠はその職掌を堅守するため、
自家が確定せし平時における一式の法則あり。交番を出でて幾曲がりの道を巡り、再び駐....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
よ。人生意気を感ぜずや――云々の意を認めてあった。 門族の栄華の雲に蔽われて、
自家の存在と、学者の独立とを忘れていた英吉は、日蝕の日の、蝕の晴るると共に、嗟嘆....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ずれもその物質系統に時間的終局を認めないのは妙なことである。これは実に了解し難い
自家撞着である。たとえば黄道の北側にある恒星の数は無限だが南側のは有限だと主張す....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、髑髏と、竹如意と、横笛とが、あるいは燃え、あるいは光り、あるいは照らして、各々
自家識見の象徴を示せるごとくに、 そういえば――影は尖って一番長い、豆府屋の唐....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
な風采は、あたかも古武士が鎧を取って投懸けたごとく、白拍子が舞衣を絡うたごとく、
自家の特色を発揮して余あるものであった。 勇美子は旧の座に直って、机の上から眼....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れはホンの当座の出来心で、心から可愛いと思っているのは、矢張り永年連れ添って来た
自家の女房なのでございます……。ただ彼女が余んまり嫉妬を焼いて仕方がございません....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
出づる所には、そこにわれ等の施すべき余地はない。自己満足、唯我独尊、驕慢、自慢、
自家広告、自分免許………何れも皆禁物である。小智小才に走るものは、到底われ等の用....
「取舵」より 著者:泉鏡花
顔をわずかに擡げて、 「ええ、もう知りませんよう!」 酷くも袂を振払いて、再び
自家の苦悩に悶えつ。盲人はこの一喝に挫がれて、頸を竦め、肩を窄めて、 「はい、は....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
、公使始めこれに附随する一類の輩にも種々の人物ありて、この機会に乗じて自から利し
自家の懐を肥やさんと謀りたるものも少なからず。 その事実を記さんに、外国公使中....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
前庭を、三毛猫が音もなく横切つて行つた。 復員兵の多くは佐世保近くの上陸地から
自家に電報を打つたが、佐太郎は神経痛で足の不自由な老父をわずらわせる気にならず、....