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自家撞着
「自家撞着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自家撞着の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
た思惟の習慣であることは、この因果律に由りて宇宙全体を説明しようとすると、すぐに
自家撞着《じかどうちゃく》に陥るのを以て見ても分る。因果律は世界に始がなければな....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
の念を離れたる描写であります。したがって褒貶《ほうへん》の私意を寓《ぐう》しては
自家撞着《じかどうちゃく》の窮地に陥《おち》いります。ことに作以外の実際において....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ずれもその物質系統に時間的終局を認めないのは妙なことである。これは実に了解し難い
自家撞着である。たとえば黄道の北側にある恒星の数は無限だが南側のは有限だと主張す....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
拘らず、彼女はその言葉、その態度、その理由のうちに、服従することの出来ない多くの
自家撞着を発見した。 どう考えても、臆病な妥協と、利害関係のある周囲への阿諛《....
「ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
かり切ったことである。又この事実は、ビジテリアンたちの主張が、畢竟《ひっきょう》
自家撞着《じかどうちゃく》に終ることを示す。則ちビジテリアンは動物を愛するが故《....
「「揚子江」」より 著者:宮本百合子
くところもなく並列させているところである。最後の特徴を中国民族の性格のうちにある
自家撞着と見るところは、これ又何とバック夫人の見解と似ていることだろう。作者たち....
「今日の生活と文化の問題」より 著者:宮本百合子
般に対してどんな見解の相異をもっていたかということや、ダラディエ一人の中にどんな
自家撞着があり、更にどんな利害の対立をもっていたかということについて、モーロアは....
「随筆難」より 著者:寺田寅彦
通りに書いてゆくだけであるから、色々間違ったことを書いたり、また前に書いたことと
自家撞着するように見えることを平気で書いたりしている場合がずいぶん多いことであろ....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
清く、随って恋する者自身も、美しく清くあらねばならぬ。醜く穢れた者の恋愛などは、
自家撞着の甚しいものだ。もっとも、敗戦と衣食住窮乏と栄養不足とのこの時代には、多....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
の穀物を得たに過ぎなかった時の二倍の価値を取得するであろう、と主張する時に、彼は
自家撞着に陥っているのでなければならぬ。もし二袋が以前の一袋の価値を有つならば、....
「嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
が元来「物差し」は固定的なるをもって本質とするのです。「伸縮自在な物差し」それは
自家撞着の観念です。例えば、ゴムでできた伸縮自在の物差しを使って布を売る呉服屋が....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
われると称する他絞の際に、肺臓の鬱血が劇烈である筈はありません。これだけでも既に
自家撞着に陥っています」 「吸息時には肺が拡がるから、血液が追い出されるとでも考....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
日発行の「ゼ・デテクチヴ・マガジン」にボドキン判事によって指摘され、同氏は、この
自家撞着があるために、この作品に対する期待を打ち壊されてしまったと言っている。 ....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
しかるにここに本編において、自ら「特殊部落」という名称を用いているのは、すこぶる
自家撞着の嫌いがあるが、それは説明上やむをえぬ事として、しばらく御容赦にあずかり....