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自己流
「自己流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自己流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
き両眼の間を迂乱つくからで、心中|窃かに驚いている。 「これは学んだ槍ではない。
自己流の業には相違ないが、それにしても恐ろしい奴だ。槍先が眼から離れようとはしな....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
解」は「自然」のなかにだけあるのだ。文学というものは、その難解な自然を、おのおの
自己流の角度から、すぱっと斬っ(たふりをし)て、その斬り口のあざやかさを誇ること....
「野狐」より 著者:田中英光
得ン。 頌ニ曰ク、不落不昧、両彩|一賽、不昧不落、千錯万錯。 私はこの公案に
自己流の解釈を下そうとは思わない。ただ懸命に人生を生きぬき、修行しさえすれば、よ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
翁が嫌って、今一層向上させるべく鞭撻していたのを後人が、自分の力の足りなさから、
自己流に解釈して、芸道を堕落させたものに相違ないのである。 以上は拍子嫌いの我....
「田丸先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
、ある時期の間は、ずいぶん頻繁に先生のお宅へ押しかけて行って先生のピアノの伴奏で
自己流の演奏、しかもファースト・ポジションばかりの名曲弾奏を試みたのであったが、....
「火事教育」より 著者:寺田寅彦
たい。 ついでながら見本としてこの絵本の第一ページの文句だけを紹介する。発音は
自己流でいいかげんのものであるが、およその体裁だけはわかるであろう。 フ、プロー....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
いの速くないの風がうなっている。たちまち先頭の止っているところにきた。やむを得ず
自己流の杖をついて身体をぐんと後にかけてやっと止るとウ氏が見ていた。「杖を後につ....
「女難」より 著者:国木田独歩
古したのだろうか、失敬なことを聞くが」 「イイエそうではないのでございます、全く
自己流で、ただ子供の時から好きで吹き慣らしたというばかりで、人様にお聞かせ申すも....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
を持ちませんでした。 されば私のやり方は外国の模倣でないことはもちろん、全くの
自己流でまた純然たる日本風を以て任ずるものであります。そういう意味で本書を公にす....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ん。さあ強いてつけましょうなら、『待ったなし流』とでも申しましょうか。アッハハハ
自己流でござんす」 「待ったなし流? これは面白い。どなたについて学ばれたな?」....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
た。ときには、鳥の楽しい歌をまねようとしたが、できかねた。ときには、自分の感情を
自己流に表わそうと思ったが、自分から出た異様なわけのわからぬ声にびっくりして、ま....
「ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
を実行して世界を画一のものにしようなんという馬鹿気ているのが有るし。文人は文人で
自己流の文章を尺度にしてキチンと文体を定めたがッたり、実に馬鹿馬鹿しい想像をもッ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
う一度、また一度と、きかせて貰った。調子に乗ると、手拍子が張扇子になって、しかも
自己流の手ごしらえ。それでもお惣菜の卯の花だ、とお孝の言訳も憎くない。句切だけぐ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
俗汚習の病因たる精神欠陥を救うの教師を自任し、細さに下級の生活状態を究めて種々の
自己流の精神医療の方法を案出して試みた。尤もこの試みは大抵失敗して、傍観者からは....
「西航日録」より 著者:井上円了
すと。余、その説を賛成し、かつ外国行きを勧むるために、即座に新体詩にあらずして、
自己流の俗体詩をつづる。 普天の下は王土なり、率土の浜は王臣なり、日本狭しとなげ....