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自慰
「自慰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自慰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
しない。嫌味にさえなっていない。かれら大学教授たちは、こういうところで、ひそかに
自慰しているのであって、これは、所謂学者連に通有のあわれな自尊心の表情のように思....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
女の肉体を轢潰してしまった時から、「オサ泉」の主張で彼等の間に、ひとつの風変りな
自慰が取上げられたんです。と言うのは、つまり被害者の霊に対するささやかな供養の意....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
、もっと(五字削除)して来るのだった。 それとほとんど同時頃に、僕はほんとうの
自慰を覚えた。前にお花さんとやったほんの遊びが、こんどは(十三字削除)なったのだ....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
ら、遂に何等の科学的認識へも行きつくべき方法を見出すことは出来まい。そのモラルは
自慰的なものとならざるを得ない。そしてこの
自慰的環境から脱出するには、もはや文学....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
観への逃避でもなければ、消極的なあきらめの哲学の演習でもなく、またひとりよがりの
自慰的お座敷芸でもない。それどころか、ややもすればわれわれの中のさもしい小我のた....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
もって実在(リアリティーとか真実とか真理とか呼ばれている)を片づけて了おうという
自慰的なやり方を、便宜上文学主義と名づけるとすれば、今哲学ではなく、文学そのもの....
「異邦人の意欲」より 著者:豊島与志雄
する掖導的作用に至っては、殆ど零に近い。斯くて大衆文学は、民衆に、一時を糊塗する
自慰自藉の糧を供給するだけであり、その感情的自涜行為を行わせるだけであり、その生....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
なのか。恐らくは原子爆弾であろう。軍事や政治の面に於て言うのではない。文化という
自慰的な旧衣を脱ぎ捨てた文明の面に於て言うのである。 原子爆弾は象徴的である。....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
のも自然のたまものだ。絶対的にのみ考えなくてもいい。童貞の青年といえども、すでに
自慰を知らぬものはなく、肉体的想像力を持たぬものもあり得ない。全然とり返しがつか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
う思うと、迷いに迷うことがすでに一つの道である、という気もするのだ。これは自分の
自慰にすぎないだろうか。 何だか、書くことが矛盾だらけで、どこに自分の本心があ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の、これもまだ十四、五位の少年が自家の二階でへんな真似を私に教えた。つまり好奇的
自慰を。その席には私だけでなく世良半次郎という友だち、私の家の政吉という店の者そ....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
」では、それはなんの実も結ばぬような気がするばかりでなく、却つて、それは永久の「
自慰」に類するものとなり、一方、本来の病状はますます悪化し、遂に救うべからざる致....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
文学の新らしい傾向は、老人の趣味に一致することを最も純粋と見做し、最も無気力な、
自慰的な人間探究に過った亢奮を感じている。不動のもの永遠のものは已に亡びている。....
「澪標」より 著者:外村繁
歓喜を知った女の体というものは、そんなものであろうはずがない。 私は本気で妻に
自慰行為を進めようと思わぬでもない。しかし妻に致命的な凌辱を与えるようで、流石に....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
、まして中年の鰥男《やもめ》の涙などというものは、薄穢いものだ。甘ったるい感情の
自慰のようなものであろう。しかしいかに愚かな私でも、既に五十近く、私の涙袋もいつ....