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自明
「自明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出帆」より 著者:芥川竜之介
の肩をたたいて、きいてみた。
「泣くものか。僕は男じゃないか」
さながら、この
自明の理を知らない僕をあわれむような調子である。僕はまた、微笑した。
船はだん....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
愛他主義愛己主義という言葉で書き改められなければならないものだ。利と愛との両語が
自明的に示すが如く、利は行為或は結果を現わす言葉で、愛は動機或は原因を現わす言葉....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ルを踏むと、竪琴には唸りが起る。――貴方がたは、あの悪ゴシップのおかげで、そんな
自明の理を、僕から講釈されなければならんのですよ」と瓢逸な態度が消えてしまって、....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
。即ち之が大気の圧力です。ですからもし大気の圧力が減ずれば水銀柱の高さは下るのは
自明の理です。昨夜の二時頃は東京は正に低気圧の中心に入ったので、気象台の調べによ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ることができたであろうか。私はいかにして私が自己の存在を肯定するごとく、確実に、
自明に、生き生きとした姿において他人の存在を認識することができたであろうか。そし....
「天馬」より 著者:金史良
わせているようである。突然李は興奮のあまりに、喉元をごくごくさせつつ、 「それは
自明なことだ」と叫ぶのだった。「朝鮮語でなくては文学が出来ぬという訳ではない。僕....
「大脳手術」より 著者:海野十三
大脳手術を受けることになっているものであるが、氏の錯倒精神状態はこの手記によって
自明である。だが、これは精神病ではなく、弾片によって脳髄に受けたる圧迫傷害に基く....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
又私が不在時、或いは外出時、それらのものに科学以上の絶対の信頼の置けないことは、
自明の理であります。 私は煩悶しました。科学を信ずべきか、妻を信ずべきか。私は....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
誰がありましょう。 また、夜中の脱出は凍死の危険があり、すこぶる無謀であるのは
自明の理であるし、現にその救命具も引揚げ後調べると、数が員数どおり揃っていたので....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
軽んぜられるようなことをしさえしなければ、俳優が軽んぜられるいわれはない。これは
自明の理です。つまり、なにをしてもいい、卑屈になりさえしなければ、ということです....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
むしろ、その対立するものをはつきりさせる時にだけ使う言葉でなければならぬ。こんな
自明の理がまつたく無視されて、これも、どうやら、いわゆる「新劇」にもあらず、新派....
「審判」より 著者:カフカフランツ
連中も、一人残らず同じように料理してやるに値しますね」 「そうですとも」と、何か
自明のことだというかのように廷丁は言った。それから、これまでは非常に親しげにして....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
かずに、外の動物小屋に近い、ともかく人のまったく近づきやすい場所に置いたことを、
自明なこととして受け入れたのだった。色とりどりに書かれた大きな文句が檻のまわりを....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
おいてだけでした』とか、おっしゃるでしょう。それらは、正しくもあれば、あなたには
自明に思われもする言葉です。しかし、私のやりかたには少しもさしさわりのない無邪気....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
的進歩を期待したい。 有事の日は、日本陸軍の主力は満州国を基地として作戦する事
自明であるが、その厖大な作戦資材、特に弾薬、爆薬、燃料等は満州国で補給し得るよう....