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自暴
「自暴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自暴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
います。 阿母が死んだあとで、段々馬場も寂れて、一斉に二|頭斃死た馬を売って、
自暴酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。米も買えなくなる、粥も薄くなる。やっと馬小屋へ....
「蠅男」より 著者:海野十三
ったんであろうか。昨日の聖人は今日の痴漢であった。 村松検事を救う手がないので
自暴になったのか。蠅男を捕える見込みがつかないで、悲観してしまったのか。それとも....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
という予感がした。 その年の春、二度目の『近代思想』を止すと同時に、僕は一種の
自暴自棄に陥っていた。先きに僕は知識階級の間に宣伝することのほとんど無駄なことを....
「大脳手術」より 著者:海野十三
耳にした。しかも私の不運なる、遂に両人に行逢うことができないのであった。 私は
自暴自棄になって、不逞にも和歌宮先生の許へ暴れ込んだ。私は悪鬼につかれたようにな....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
おそれがある。これはやめたよ」 「惜しいですなあ。すると、これは取りやめて、以来
自暴酒というわけですか」 「とんでもない。余はイギリス人とは違うよ。余は既に、ち....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
、またゆっくり奢って貰う機会があるよ。それから、悪いことはいわない、今夜はあまり
自暴酒を呑みなさんな」 大きなお世話だ。僕はぷんぷん腹を立てながらも、さすがに....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
関銃から弾丸の雨を喰らわせることが出来ます。 「うーむ、今に見ていろ」 警部は
自暴自棄で、苦闘している部下のところへ飛びこんでゆきたいのを、じっと怺えていまし....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
しくドンドンと燃えさかった。 「うぬ、悪魔奴! 悪魔奴!」 彼は動けぬ身体を、
自暴に動かした。そのために、身体を堅く縛っている麻縄が、われとわが肉体に、ひどく....
「雷」より 著者:海野十三
だ、松さん。……素晴らしい出来栄えじゃないか」 「ねえ旦那。儂は今度は、なんだか
自暴に気持が悪くて仕方がない。なんだかこう、大損をしたような、そしてまた何か悪い....
「流線間諜」より 著者:海野十三
もう耐えられなくなった。 「――分らなくて、どうするものか!」 と彼は叫んだ。
自暴的な自殺的な言葉を吐くのが、彼のよくない病癖だったが、それを喚き散らすと、い....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
にいた妖婆アダムウイッチが遥かにこれを見て、大いに嫉妬する。そしてたまりかねて、
自暴酒を呑む。あまりに酒をガブガブ呑んだので、蒟蒻のように酔払って、とうとう床の....
「キド効果」より 著者:海野十三
いつの間にか三十九人になっていた。 ガン、ガン、ガン。 機関車に近い方の扉が
自暴に鳴って、やっとそれがガラリと開くと、真赤な顔をした車掌がピストル片手に飛び....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
、話題が以前よりはよほど低くなった。物質上にも次第に逼迫して来たからであろうが、
自暴自棄の気味で夜泊が激しくなった。昔しの緑雨なら冷笑しそうな下等な遊びに盛んに....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
。今夜の彼女はよほどどうかしています、大胆な態度といい、上ずッた調子といいまるで
自暴なんですからね。それをまた京都が執拗く追い廻しているんです。 十一時半まで....
「今年の抱負」より 著者:大倉燁子
そろそろ引込みかけ、四月頃にはすっかりしぼんでしまい、六月の声をきくともう半分は
自暴自棄になって、また来年のことだ、と、あとの下半期は無茶苦茶に過してしまうのが....