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自火
「自火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自火の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
という字をかいて、大晦日《おおみそか》の晩に縁の下へ投げ込んで置くと、その翌年は
自火は勿論、類焼の難にも逢わないと伝えられて、今でもその呪禁をする者がある。おそ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
十五 翌年湯島六丁目の藤屋火事と申して、自宅から出火で、土蔵|二戸前焼け落ち、
自火だから元の通り建てる事も出来ませんで、麻布へ越しましたが、それから九ヶ年過ぎ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を取囲んで、むしむしと焼き立てました――こう周囲から煽《あお》られると、いやでも
自火になることを免れられようはずがありません、こうして我々は、内外共に破滅の時が....
「雁」より 著者:森鴎外
の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでいたからである。その上条が明治十四年に
自火で焼けた時、僕も焼け出された一人であった。その火事のあった前年の出来事だと云....
「黄泉から」より 著者:久生十蘭
る。けっしてものをねだったり、催促したりしない娘だった。 昭和十年の冬、堀川が
自火をだして丸焼けになり、両親は東京を遠慮するといって鵠沼へひっこんだが、間もな....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
へ行き、富岡の顔役の家でごろついているころ、すぐそばの町の古手屋《ふるてや》から
自火を出し、隠居が焼け死んだ事件があった。 顎十郎は懐手をしながら、まだいぶり....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に下谷二長町の市村座を焼いた。それは三月二十八日の午後六時五十分であった。これも
自火ではなく、和泉町の藤堂邸から燃え出した大火のために類焼の禍に逢ったのである。....