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自責
「自責〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自責の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
ら起《た》ち上ると、裾をかき合せて出て行った。寺田はその後姿を見送る元気もなく、
自責の想いにしょげかえっていたが、しかしふとあの男のことを想うと、わずかに自尊心....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ある。豹一は二ヵ月の休暇を利用して、やっとお駒と離れてしまったということに、少し
自責めいたものを感じていた。お駒を自尊心のだしに使ったということが、済まない気が....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
撮影のときにそれを許容する気持ちにさせた偶然が、試写のときには必ず多少とも後悔と
自責の念に私を駆り立てずにはおかないからである。はっきりいえばその実際の経験だけ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
が生んだ惨劇の中に、間接ながらとりもなおさず殺人者である自分を見出して、はげしい
自責と恐怖とに身を震わせました。 それから時計は徐かに廻りました。夕方に配達さ....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
ら、ひとまずよろよろと押入の中へ隠れ込んだ……が、そうしているうちにも、いよいよ
自責と危険に責められるにつれ、堪えられなくなってとうとう自殺した……ふむ、まずそ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
心の所有者であるかと思うと、私は涙ぐましくなった。その涙は感激の涙でなく、一種の
自責の涙であった。 私は高のなさけに因って、その夜は二枚の毛布をかさねて眠った....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
する者もなかったがために、何かの変事が出来したのではあるまいか。 ――こういう
自責の念に駆られながら、私は出来るだけ急いで坂路を降りて行った。 「何事が起こっ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かれを抱きあげて火のそばへ連れて来たが、哀れなる愛犬の死について、強い悲哀と強い
自責とを感ぜずにはいられなかった。私がかれを死地へ連れ込んだのである。最初は恐怖....
「雨」より 著者:織田作之助
んに、おろおろと泣いた。円タクの助手をやったと聞かされ、それが自分のせいのように
自責を感じ、 「みんな私が悪かったのや、私の軽はずみを嗤っとくれやす」 と、顔....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
美術工芸小説の前にひそかに畏敬を感じ、あるいはノスタルジアを抱き、あるいは堕落の
自責を強いられたことによって、近代小説の実践に脆くも失敗して行ったのである。彼等....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
た。予期しなかった危険とは云え、これは余りに大き過ぎる過失であった。二人は烈しい
自責に襲われながらも、しかしこの出来事の指し示す心憎きまでに明白な暗示に思わずも....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
した――と、たった今刑事に白状して来たのだ。 ある時は、その殺したという罪で、
自責の念にかられ、ある時はそのことを昂然と口にすることで少年らしい虚栄心を満足さ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
も知れないと思うのだ。ピューリタンの血を、デカダンスの血で汚してはならないという
自責と、ピューリタンだとすれば、案外固くて、うかつに口説けないという打算だった。....
「雨」より 著者:織田作之助
ら嘲った気持には、円タク助手などしていていつに成ったら母親を迎えに行けるかという
自責が働いていた。長崎県五島の故郷へ出す妓の手紙を代筆してやりながら、何故こんな....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ことがある。これは今日も遺憾ながら実現せられていない。私としては誠に御申訳ないと
自責しているのである。 複合民族の国家では各民族軍隊を造る事が正しいと信ずる。....