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「自賛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自賛の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
て矮身の縫工が布一片を揮《ふる》うて蠅七疋を打ち殺し自分ほどの勇士世間にあらじと自賛し天晴《あっぱれ》世に出で立身せんと帯に「七人を一打にす」と銘して出立した、....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
し寒月が博士論文を草しかけたのは何よりの御見《おみ》やげで、こればかりは迷亭先生自賛のごとくまずまず近来の珍報である。啻《ただ》に珍報のみならず、嬉しい快よい珍....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
だ。人間の働きは、五割方増加する。どうです、すばらしい発明でしょうがな」 自画自賛――という字句は、この客のために用意されたものであったかと、余は始めて悟った....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
が……饂飩粉が……まだ大分あるが、まあざっと一年の仕事が斯様なもんだ。如何だね、自賛じゃないが、働きも此位やればまず一人前はたっぷりだね。それにお隣に澄まして御....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
はこう云ったの。「どうぞ御亭主さんのところへその半分でも書いてやって下さい。私が自賛出来ないし、もししたら『己惚《うぬぼ》れは作家の何よりの敵だよ』ときっと云う....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たちに役だつかもしれない。いつもやるとおり、万人から賞賛されてると思い込んだり、自賛したり自卑したり――代わる代わるそんなことをするよりも、その方がやはりいいだ....
秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
をほじくった。清水のなかに住むこの大蟹と小蝦と小貝との生肉について、彼はしきりに自賛していた。 「こういう食物は、寄生虫の伝説さえなければ、日本の文学者にも好か....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
真言、法相、三論、華厳、浄土、禅等と、八宗、九宗に分裂して各々自宗を最勝でありと自賛して、互いに相|排擠していた。新しく、とらわれずに真理を求めようとする年少の....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
外だったよ。 と云って何も僕という人間が、醜男だったからと云うのではない。自画自賛で恐縮だが、僕という人間は君も知っている通り、かなりの好男子であるはずだから....
審判」より 著者:カフカフランツ
世辞文句、それから次に、まさしく犬のように裁判所にへりくだっている調子の弁護士の自賛、そして最後に、私のと似てるという以前の法律事件の吟味、というわけです。これ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いい。 たまたま、武蔵筆ぐらいな、簡単な落款の記入したものもあるが、年号とか、自賛とかのある物は、まったくないといっていい程である。 もっとも、画風としても....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
かなものはない。 つまり一子高秀が、父道誉の還暦に筆をとり、それに道誉自身が、自賛まで添えているのである。貞治五年、ちょうど五百九十五年前の物だ。 ――見て....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
放送に当って、これがたいへん美味いものだから一般の人にも召し上がれる、という自画自賛の言葉が付け加えられていた。 私には異議がある。 この時の料理は、自然薯....