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「自足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
中尉は不相変《あいかわらず》晴ればれした微笑《びしょう》を浮かべている。こう云う自足《じそく》した微笑くらい、苛立《いらだ》たしい気もちを煽《あお》るものはない....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る諦めか不平かを以てその傷を繃帯する外道はあるまい。 × 愛は自足してなお余りがある。愛は嘗て物ほしげなる容貌をしたことがない。物ほしげなる顔....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
いかなる状態も、いかなる態度も、いかなる反応も超越して、それみずから発展する自主自足の活動でなければならない。ゆえに純なる愛は相手のいかなる醜さ、卑しさ、ずうず....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
か、畸型化せざるを得ない筈で、一般の給料が家族の食費にすら不足の今日、学生という自足できない一団が畸型児の第一線を占めるのは当然だ。 いったいが、日本では、家....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
つめられ、窮亡のドン底にある我々に、最大の財産はなんですか。言うまでもなく、自給自足しうる土地ですよ。田畑ですよ。いいですか。現在に於ては、そうなんです。しかし....
剣侠」より 著者:国枝史郎
うしてそういう人々の従僕――そういう人々と家々によって、この一劃は形成され、自給自足しているのであった。 要介達の泊まっている家は、宗家嘉門の門の中の平屋建て....
自画像」より 著者:黒島伝治
ある。そのくせ、ぬけめがないところもあるんだ。このせち辛い世の中に、まるで、自給自足時代の百姓のように、のんきらしく、──何を食って居るのかしらんがともかく暮し....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
真価を発揮しようというなら、それ以上に無能な政治はないと知るべきである。 自給自足の不可能なこの資源貧困な国土で、しかし、共産党の天下になれば、よその共産党が....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
うち、というだけの広い庭が必要で、ところがそういう広い庭があるほどなら何でも自給自足できて、雀を追ッかける苦労なぞは必要なしというものだ。 むしろ鉄砲でも買っ....
母と娘」より 著者:岡本かの子
人)の子供を養育して居ます。彼等は葡萄を栽培して葡萄酒を造るのと小麦と牧畜で自給自足するばかりか多量の葡萄酒と小麦をフランス国中へ売りさばくのです。其の利益金の....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
に侍し、その腹に尊良親王・宗良親王のような英邁の皇子がお生れになっている。為世は自足して元徳四年出家し、八十の高齢で華々しい栄華を一とまず閉ざした。その後、高野....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
りすることはありません。依頼するのに物々交換ですから、少しも金は要りません。自給自足ですから殆んど都会から格別な品物を金で買い入れぬことにしております。そして過....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ヴェンにおいて芸術形式はこの内的実在のリズムと離れていない。その形式は形式自体で自足している形式ではない。 「もしも人がベートーヴェンを心理的にをめざまさなけれ....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
調節が盛んに行われた為にほかならぬ。これは幕府が鎖国主義を採って、日本国内で自給自足の政策を実行したのと、一つは万事が現状維持で、新規の発展を厳禁したとの結果で....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の海上武力に対し東亜を守り得る武力。 ※ 目下の協同体たる日満両国を範囲とし自給自足をなし得る経済力。 三 満州国の東亜連盟防衛上に於ける責務真に重大なり。特に....