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自転車
「自転車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自転車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ら外を見ると、向うの玩具問屋《おもちゃどんや》の前に、半天着《はんてんぎ》の男が
自転車のタイアへ、ポンプの空気を押しこんでいた。何だかそれが洋一には、気忙《きぜ....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
轢死《れきし》だなとたちまち考えもした。幸い踏切りの柵《さく》の側に、荷をつけた
自転車を止めているのは知り合いの肉屋の小僧だった。保吉は巻煙草《まきたばこ》を持....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
藪の前へ、きりきりと舞って出て、老人の姿を見ると、ドンと下りざまに大な破靴ぐるみ
自転車をずるずると曳いて寄ったは、横びしゃげて色の青い、猿眼の中小僧。 「やい!....
「露肆」より 著者:泉鏡花
糶上る。消え残った灯の前に、霜に焼けた脚が赤く見える。 中には荷車が迎に来る、
自転車を引出すのもある。年寄には孫、女房にはその亭主が、どの店にも一人二人、人数....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
だけだった。火事――僕はすぐにこう考え、そちらを見ないように歩いて行った。すると
自転車に乗った男が一人まっすぐに向うから近づき出した。彼は焦茶いろの鳥打ち帽をか....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ないファラデーの事とて、とうとう喧嘩になりかけた。 この頃ファラデーの道楽は、
自転車のようなベロシピードというものを造って、朝はやく郊外のハムステッド岡のあた....
「錦紗」より 著者:犬田卯
返しはじめた。どこか途中に落ちているに相違ない。人が通るとはいっても、たいがいは
自転車で飛ばすものばかりである。でなければトラックだ。小さい蟇口などよほど気をつ....
「競馬」より 著者:犬田卯
の巡査がいた。巡査は今の今、誰かに呼ばれて、競馬場の方からやって来たものらしく、
自転車を下りたばかりだった。 仙太は傍らからのぞき込んだ。塚田屋は時計師らしく....
「瘤」より 著者:犬田卯
、お蔭でまた村では村税付加がじりじり大きくなって来た。他村では本税の二三割で済む
自転車税の付加が、この村では九割。家屋税にせよ、宅地税にせよ、いずれもそれ位の付....
「米」より 著者:犬田卯
大べら棒ってどこにある。」 「いよう、なんだや、今頃――」 ひょいと横あいから
自転車を飛ばして知合いの男が姿を現した。 「おう、君か――君こそ何だい今頃。」 ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
いう画家――美校出身の、そして芋銭先生の弟子であるところの――を呼びに、近くまで
自転車を走らせたのであった。 「おいS、俺の家へ、いま男爵閣下がお見えになったん....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
が、今の子供達はもう、うっかり外では遊べなくなりました。大通りから入った横丁でも
自転車やら自動車やら何やと往来が劇しゅうなるばかりなので、それだけは昔の子供の方....
「山吹」より 著者:泉鏡花
からは毎日のおやつと晩だけの御馳走は、重箱と盤台で、その日その日に、男衆が遠くを
自転車で運ぶんです。が、さし身の角が寝たと言っては、料理番をけなしつけ、玉子焼の....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
の細路へ、捨吉がぬいと出る。 途端にちりりんと鈴の音、袖に擦合うばかりの処へ、
自転車一輛、またたきする間もあらせず、 「危い、」と声かけてまた一輛、あッと退る....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
末の卒業式と同時に、初世は佐太郎の眼の前から姿を消した。それ以来幾月というもの、
自転車での学校の行き帰りの路でも、ついぞその姿を見かけることがなく、初世はやがて....