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「臭み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

臭みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
して居られても、一から十まで人の心の中を洞察かるる神様、『この女はまだ大分娑婆の臭みが残っているナ……。』そう思っていられはせぬかと考えると、私は全く穴へでも入....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
きです。いわゆる通俗劇専門の俳優がいます。これも、その演技には誇張による因襲的な臭みがあって、映画に出ると一層ボロを出します。 結局、現代劇俳優として、正しい....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
しも変らない武田さんを見て喜んだ。四年も外地にいたが、武田さんは少しも報道班員の臭みを身につけていなかった。帰途大阪へ立ち寄って、盛んに冗談口を利いてキャッキャ....
食指談」より 著者:佐藤垢石
鹿肉の味噌汁を作った。味噌は正田醸造の特製とはいえ素晴らしい鹿汁である。まるで、臭みがない。 鹿の肉には、一種の臭みがあるのが普通である。だが、寒中に獲れた鹿....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
下水が故郷だ。引き潮時に、掘割の真っ黒い水の底から、ぶつぶつと沸き立つ、あの溝の臭みが故郷の匂いである。 ときどき散歩に行く、丸の内のお堀端の柳が水に映る姿も....
香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
渓川の水が次第に冷えてきたからである。 産卵後間もない夏のうぐいは、肉に一種の臭みを持ち、骨が硬いために到底食膳にのせ得ないのであるが、秋水に泳ぐ頃となれば見....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
ている。私にも一碗だけが裾分けとなったのである。だが、甚だおいしくなかった。泥の臭みが鼻をついて、 『こんなのなら、物欲しそうな顔などするのではなかった』 と....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
いてだんごに丸め、胡椒と調味料を入れて軽く焼いたのであるそうだ。なかなかいける。臭みがない。 次は、肉を刻み油でいため、蕃荷菜をかけたものだ。これも、乙である....
利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
養蚕の準備に忙しかった。母と姉は、水際に近い底石に乗って、蚕席を洗った。洗い汁の臭みを慕って、小ばやの群れが集まってきた。四月の雪代水は、まだ冷たい。冷水に浸っ....
蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
いだす。そのとき、臍と称するところは、棄てないで取って置くのだ。 かくすると、臭みが去る上に、いつまでも鮮味を保つこととなるのである。腹を割いたならば、そこへ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。加之ならず『浮雲』の若々しさに引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた。言換えると『浮雲』の描写は直線的に極めて鋭どく、色彩や情趣に欠....
鱧・穴子・鰻の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
やはもに似た風味があって美味い。しかし、はもと違って、あなごでもうなぎでも少々|臭みがあるから、すりしょうが、または粉山椒を、茶をかける前に、箸の先にちょっと付....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
私も欲しくなったのでまた引返して、売れ残りの鞄の一つをどうにか探し出した。馴鹿の臭みがして小汚くて、赤と黄との図案があまりにけばけばして、子供でもない自分が肩か....
山椒魚」より 著者:北大路魯山人
位置にある美味と言うことができようか。すっぽんも相当美味いが、すっぽんには一種の臭みがある。山椒魚はすっぽんのアクを抜いたような、すっきりした上品な味である。 ....
海苔の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
が缶詰や壜詰ののりの佃煮である。悪いのになると、大部分青のりであるから、青のりの臭みと味とに満ちている。 ほんとうに美味しいのりの佃煮が食べたい人は、売りもの....