至妙[語句情報] »
至妙
「至妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
至妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
眼とは、無量の意を含みて相合えり。渠らは無言の数秒の間に、不能語、不可説なる至微
至妙の霊語を交えたりき。渠らが十年語りて尽くすべからざる心底の磅※《ほうはく》は....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
体の知れない火事装束の五人組というものを向うへまわさなければならないので、いかに
至妙の剣手とはいえ、丹下左膳ひとりではおぼつかない。あまつさえ身を寄せる家のある....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
者《ろうぜきもの》とばかり、不知火の門弟一同、抜きつれて二人をかこむ。名人同士の
至妙な立合いを、妨げられた怒りも手伝い、左膳と源三郎、こんどは力をあわせて、この....
「砂書きの老人」より 著者:上村松園
のはああいうのをさして言うのであろう。またそれは、あの貧しい老爺だけがのぞき得た
至妙至極の芸術の世界であったのかも知れない。 あの老人は大地へ描きすててしまっ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ちかけた。人の心が顔に現れるとでもいうのか、まるで彼の心を見抜いたように時を得た
至妙な話。正二郎はその宴席で始めて見る駒千代のやさしく華やかな姿に見とれて、さて....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、それがあとになって彼自身に「無計画の計画」と感じられようと、あるいは「摂理」の
至妙な計画と感じられようと、彼が「永遠」の門をくぐるために、一度は耐えなければな....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、この事を思い出して心中で泣いた事がある。これは実に対蹠的な世界だ。そうした愛の
至妙境を味わっていたから余計苦しかったのだろう。もっと荒く育てられていたら耐えよ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
より出たり、必竟学問を字を習い書を読む上にのみ求めんとせしは我が誤ちなりし、造化
至妙の人世という活学校に入りて活字をなすべしと、弱りたる気を自ら皷舞して活発に働....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ず、ただ、竿先だけが虚空《こくう》に三寸ばかりの新月をえがいたと思うと、どういう
至妙の業によるのであろう、鈎先は青鱚をつけたまま、おのずからはね返って魚籠の中に....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
怒哀楽の情を表わします。わたくしは曽て金剛巌師の“草紙洗”を見まして、ふかくその
至妙の芸術に感動いたしたものですから、こんど、それを描いてみたのでした。 小町....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
て、息もつけずにその夢幻的な世界に魂を打ちこんでしまうのです。 私はこの能楽の
至妙境は、移して私どもの絵の心の上にも置くことができましょうし、従って大きな益を....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
らみ、とたんにやっ! と、捻じ倒す『|足挾み《シイゾオ》』に至っては、誠にもって
至妙の術。これに出あってはいかなる猛牛《トオロオ》といえども手も足も出ない。され....
「たましいの教育」より 著者:羽仁もと子
まですすみゆくべき消息が、このようにして人間生活のあらゆる断面に現われているのは
至妙《ふしぎ》である。 幼児の宗教教育、すなわちたましいの教育はもちろんむずか....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
善は、われ知らずにこれを行じてゆき、すべての悪は、われ知らずに離れ去ってゆく至福
至妙の状態であります。この心境を説明するのに、人間の言葉に詰って「極楽世界」とか....
「三国志」より 著者:吉川英治
」 「曹操とても、兵学に通じておるもの。いかでさような計略におちいろう。お考えは
至妙なりといえど、おそらく鳥網精緻にして一|鳥かからず、獲物のほうでその策には乗....