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「至近〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

至近の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
って、涙は絶間《とめど》もなく美しい御顔を流れました。 その日は珍しく暖で、冬至近いとも思われません位。これは山の上に往々《たびたび》あることで、こういう陽気....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
て、これはいけないと思い、遂に思い切って「伏せ」をした。ところがその直後に爆弾は至近距離に落ちて爆裂したが、伏せたおかげで身に微傷も負わなかった。 ところが、....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
から上って来る汽車の屋根の白いのを見ると、ア彼方は降ってるナと思うこともある。冬至近くに成れば、雲ともつかぬ水蒸気の群が細線の集合の如く寒い空に懸り、その蕭条と....
李陵」より 著者:中島敦
を隙《すき》もなく取囲んでしまっていた。ただし、前日の失敗に懲《こ》りたとみえ、至近の距離にまでは近づいて来ない。南へ行進して行く漢軍を遠巻きにしながら、馬上か....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
理想と市民社会の現実との間の一種の喰い違いは、歴史的に云うと、〔軍〕部団と中世乃至近世の武士階級との特別なつながりとなって幻想され易いという事情を産むわけで、つ....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
所産でないというような点も、考証されていないではないが、併しそれでも実験が近世乃至近代・現代・の自然科学乃至物理学の、特有な意識的で組織的で方法的な操作であると....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
として残り、或いは甦えりつつある。――イギリス風の原生的常識と、この啓蒙期的・乃至近代的・合理主義の常識とに、更に哲学的なものを加えたものが、マルクス主義的弁証....
辞典」より 著者:戸坂潤
リレイによって代表される自然の数学的研究方法との疎遠を別にすれば、全く近代科学乃至近代自然科学の根本的な認識目的に照応している。だが之によって、従来の所謂演繹論....
殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
てかばいながら 斜めになって走って行き 防空壕の中に飛びこむと同時に ドドドドと至近弾の 音とも振動とも言えない落下 二人は階段の下の暗い所に 折りかさなってこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
りでに接し、またなるべく小高い岩頭などをえらんで組んであるので、矢を射こむには、至近距離をなしている。 まもなく虚空は矢さけびの道になった。 たちまち、敵の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は用をなさないので、長柄、なぎなた、太刀、槍の白兵戦となろうが、いつまでも、或る至近距離から内へは敵もすすまず、こっちも出てゆく風はなかった。――対峙のままただ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
堂の屋根や附近に矢が突きささッたようでもあった。これはどこか、物見の目もとどかぬ至近距離にまで、敵の兵がすでに潜り込んできた証拠と、誰の肌にも突き刺さるような感....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
と言われるので行って見た。場所はアフンルパ※から旧道を横切り二百歩余東南に行った至近距離で、其処は丘上で沢形になった地形で、下るとごく小さな泉が湧いており、水は....