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「興じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

興じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女生徒」より 著者:太宰治
御夫婦は、窮余の一策とは、うまいことをおっしゃる、と手を拍《う》たんばかりに笑い興じるのである。私は、口惜しくて、お箸とお茶碗ほおり出して、大声あげて泣こうかし....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
らだからしてしまって来た。さばけた快活な声を出して笑うようにもなった。彼女は物に興じる質で、たまの里帰りの間にもお槇のために髪を直してやったり、お民が家のものを....
冗談に殺す」より 著者:夢野久作
え気味のわるいアラユル残忍な方法でイジメつけながら、たまらないほど腹を抱えて笑い興じるのであった。声も立て得ないまま瞳を大きく見開いているその猫のタマラナイ姿を....
火星探険」より 著者:海野十三
っぱい集って来た。そしてその横腹に書かれた牝牛の絵を指して、ものめずらしげに打ち興じるのであった。牛は火星にはすんでいないのだ。いや牛ばかりではない。馬も羊も鹿....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
うなことは嫌いなのではあるが、それでも少し飲むと賑やかに機嫌好くなって、罪も無く興じる主人である。そこで、 「晩には何か取りまして、ひさしぶりで一本あげましょう....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
目《つけめ》なのである。下駄が一ツ二ツ残ると、それからが駈引《かけひ》きで面白く興じるのだ。 ――瓢箪ぼっくりこ――つながってしゃがんで、両方に体を揺《ゆす》....
丹下左膳」より 著者:林不忘
てきて、昔から名高い薄茶の茶碗で、飯をかっこむやら、見事な軸へよせ書きをして笑い興じるやら……それというのも、こうでもしたら司馬家のほうから、今にも文句がでるか....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
それを、もっと愛して、自分のうちにとってしまって、寂しいとはこういうものかとうち興じるような何かそんな生活の味。 そして、生活は又一層のニュアンスをふかめるの....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
たのである。しかし私は、そのような作品には全然、無関心であった。そんな作品に打ち興じる兄を、軽薄だとさえ思った。 そうして私はその時、一冊の同人雑誌の片隅から....
太宰治との一日」より 著者:豊島与志雄
んなことで、その日も大笑いした。胸に憂悶があればこそ、こんな他愛もないことに笑い興じるのだ。 夜になって、臼井君が見えたので、だいぶ賑かになった。私はもう可な....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
きつめた応接間。赤くもゆる暖炉。飾鉢の棕櫚竹にふれる椅子の主客とモダンな談話に打興じる。 種痘人の椅子をすべりし羽織かな 静廼 スイートピー蔓のばしたる置時....
フシギな女」より 著者:坂口安吾
。むろん、人間には趣味というものがあるから、犯人はあれだ、いや、これだと世間話に興じるのは当り前だが、文学者がその表芸として犯人を当てるなどということは、笑止千....
三国志」より 著者:吉川英治
「そう根気をつめては、お体にも毒でしょう。小生が参って、みんなと共に、今夜は笑い興じるようにすすめてきましょう」 「いけません。王子服様、無断で書斎へ行くと怒ら....
アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
引っぱります。熊になった少年は、ますます猛りたち、見物人はそれを見てワハハと笑い興じるのであります。 これらの行事や遊戯は、前に述べたマイタケをとる際の呪術的....