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興す
「興す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
興すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
るはずだ。
しからば、来たるべき時代においてプロレタリアの中から新しい文化が勃
興するだろうと信じている私は、なぜプロレタリアの芸術家として、プロレタリアに訴え....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
て呼んだのはこれが初めてだった)どうか。俺を救ってくれ、俺は破産した自分の家名を
興す重任を帯びているのだ。食うや食わずで逼塞《ひっそく》している俺の両親は、俺の....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
戦争とか豊作とか饑饉《ききん》とか、すべてある偶然の出来事の発生するでなければ振
興する見込のない一般経済界の状態は何を語るか。財産とともに道徳心をも失った貧民と....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
はない。しかし貴様の女房はもう孕んでいる。必ずその子を殺すな。明天子に逢って家を
興すに相違ないぞ」 言い終って彼は死んだ。その庫をさがすと、宝物珍品が山のよう....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
あがって謡言は終熄したが、要するに今後の問題は、持久戦に漸く倦んだ士気を如何に作
興するかにある。 此の時小早川隆景進言して言うのに、父の毛利元就が往年尼子義久....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
れども爾後一年を経ずして士論はこの急進論を奉じ、いわゆる民権論は政府に反対して勃
興するに至る。 民選議院論派は第一期の政論派の後殿として興り、第二期の政論派た....
「転機」より 著者:伊藤野枝
がけない、はっきりした調子で話した。 「私共がここに残りましたのも、最初は村を再
興するというつもりであったのですが、何分長い間のことではありますし、工事もずんず....
「葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
うございます。」 といいました。 保名もこれをしおに京都へ行って、阿倍の家を
興す時が来たと、大そうよろこんで、童子を連れて京都へ上りました。そして天子さまの....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
千日前や心斎橋や道頓堀や新世界や法善寺横丁や鴈治郎横丁が復興しても、いや、復
興すればするほど、大阪のあわれな痩せ方が目立って仕様がないのである。 闇市場で....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
ことだった。 人の話では、このほど例の大震災で焼野原と化してしまった東京市を復
興するについて、早速、臨時議会が召集され、そして六億近い巨大なる復興予算が議員た....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
うるに北海道のアイヌが主要捕獲物たる熊の為に熊祭を行い、酒宴を催して多人数歌舞遊
興すると同じ意味において、奥羽地方では鹿供養が行われて民衆が相ともに歌舞宴楽した....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
、正面の無きこの特殊なる構造が説明せらるべきである。かくて罹災後これを新敷地に再
興するに当り、新たに母后の御為に阿弥陀仏の尊像を安置すべく、金堂のみは三本尊並置....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
またざるなり。余、かつて一絶を賦してその意を述ぶ。 青年興業欲。 (青年が事業を
興すに何かを求めようとするならば、別天地のはてに向かうべきである。東亜も西欧もす....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
うものは、平安朝末までは帝王のほかにはあり得なかったのである。でなければ、一宗を
興す祖師のごとき人。それがいまや封建の組織がととのって、実朝のごときもまた王侯の....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
路も、生活の形態も、一元的に決定することはできないであろう。故に、一つの主義が勃
興すれば、それと対蹠的な主義が生起する。かくして、その相剋の間に真理は見出される....