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興る
「興る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
興るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ロン号が、来るというから、あたし、考えたのよ」 「何を、考えたのだい」 「日本が
興るか亡ぶかという非常時に、お飯事みたいな同棲生活に、酔っている場合じゃないと、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ったのだ。だが感傷的になるまい。お互いに……。 われら斃れた後に、日本亡ぶか、
興るか、その何れかに決まるであろうが、興れば本懐この上なし、たとえ亡ぶともわが日....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に憂い懼れていると、となりに住んでいる塾の先生が言った。 「すべての妖はみずから
興るのでなく、人に因って
興るのである。あなたは人に知られない悪念を懐いているので....
「運命」より 著者:幸田露伴
智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平は、形勝の地にして、士馬精強に、金元の由って
興るところなり、今|宜しく封を南昌に徒したもうべし。然らば則ち万一の変あるも控制....
「惜別」より 著者:太宰治
学篇などにも、大いに日本留学の必要が力説されていて、日本は小国のみ、しかるに何ぞ
興るのにわかなるや、伊藤、山県、榎本、陸奥の諸人は、みな二十年前、出洋の学生なり....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
する、権力感情のニヒリスティックな反動である。(前に言った唯美派や芸術至上主義の
興る理由が、また実に此処《ここ》にあるのだ。)しかしこの現状の内奥には、早くもま....
「スポーツ・文学・政治」より 著者:坂口安吾
がね。大体スピード選手は不健康だし、短命だ。一種の犠牲者だね。しかし一国の文化が
興るのにはどうしてもこういう犠牲者が必要なんだ。 ボクの小説も、いわばスピード....
「迷信解」より 著者:井上円了
く調ぶるようにすれば、ただちに原因を発覚することができる。古語に「妖は人によりて
興る」とは、誠にその実を得たる格言である。 また民間に、妖怪宅地すなわち化け物....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
げることが出来ないものであるというようにインド人は考える。また文明は都会生活から
興るというのでありますが、論より証據でインドには都会というものはない、われわれの....
「巷の声」より 著者:永井荷風
凡門巷を過行く行賈の声の定めがたきは、旦暮海潮の去来するにもたとえようか。その
興るに当っては人の之に意を注ぐものなく、その漸く盛となるや耳に熟するのあまり、遂....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
する興味は時勢と共に全く湮滅《いんめつ》してしまったにかかわらず、その代りとして
興るべき新しい風景に対する興味は今日においてはいまだ成立たずにいるのである。 ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
腐敗を一洗し、そして仏教の真面目なる活発発地の大自由の道理を発揮すれば、必ず再び
興ることがありましょう。
けれども今日の様子では、まずチベット仏教は下火に向っ....
「平民道」より 著者:新渡戸稲造
士道を平民道に拡げたというもこの意に外《ほか》ならない。 武士があって武士道が
興るのは歴史的の順序と思われるが少しく歴史の隠れたる力を研究したなら、たとえその....
「古事記」より 著者:武田祐吉
七一、一三七二)に書かれた眞福寺本が最古の寫本であるに過ぎない。しかし近世國學が
興るに及んでは、日本書紀をもつて漢意が多いとし、古事記を偏重するようになり、本居....
「詩の精神は移動す」より 著者:小川未明
れるということに於て、創造は私たちに歓喜をよびおこす。 詩はついに、社会革命の
興る以前に先駆となって、民衆の霊魂を表白している。例えばこれが労働者の唄う歌にし....