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「興奮剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

興奮剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
味のよいその音は逃げて行った細君へ投げつける虚ろな挑戦の響きの高さに冴えていた。興奮剤のヒロポンは、劇薬であり、心臓や神経に悪影響があるので、注射するたびに寿命....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
で、この刺激を取り去ると索然《さくぜん》として没趣味なものになってしまう。懸賞的興奮剤がないとすれば何か芸のある運動がして見たい。吾輩はいろいろ考えた。台所の廂....
新生」より 著者:島崎藤村
た。彼は自分でも仕事の疲労を忘れるために買って置いたその好い香気《におい》のする興奮剤を激しく疲れている節子に飲ませた。 百六 病院の方....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
婦《しょうふ》! 一軒を持っている娼婦! それは全く独特のものであった。 この興奮剤は、恐ろしい偉力を現わした。伝馬は直ちにおろされた。 彼らは大騒ぎをして....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、庇から岩を伝わっては、ポタポタ雫が落ちる、防水布の外套に包まれて、ココアを一杯興奮剤に飲んだまま、飯も喰わずにたわいもなく痲痺したようになって寝た。 夜中に....
コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
やく正常に復するのであろうが、現在の場合はそれほどのことでないらしい。やはりこの興奮剤の正当な作用でありきき目であるに相違ない。 コーヒーが興奮剤であるとは知....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ノガイ人は馬肉や馬脂を熱して金創に傅《つ》け、神効ありというと。ローマ帝国の盛時興奮剤として最も尊ばれたヒッポマネス(馬狂うの義)は、考古学者も科学者も鋭意して....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
せなければならない。エデンの園をリセオムの園に変えなければならない。学問は一つの興奮剤でなければならない。享楽するということ、それはいかにつまらない目的であり、....
チューインガム」より 著者:寺田寅彦
するに一般にはあまり面白い仕事でないであろう。それを忠実に遂行するに要する努力の興奮剤としてチューインガムを使用しているとすれば、いくらか尤もらしく思われて来る....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
があるか」 と反問するが肝腎《かんじん》である。臆病《おくびょう》なる僕に一大興奮剤となった教訓は沙翁《さおう》の Be just and fear not ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ァーツクというのは草の根の毒であって、これを多量に喰えば死んでしまうです。つまり興奮剤のようであるけれども、少し多量に入れてあるのを服むと身体の各部に痺れを起す....
食道楽」より 著者:村井弦斎
いうが牛肉屋から配達してくれる一合十銭位な白湯《さゆ》同様のスープを飲ませたって興奮剤にはなるけれども身体《からだ》の滋養にはなりません。西洋で病人に飲ませるス....