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「興行師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

興行師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みちのく」より 著者:岡本かの子
に貰いに来るだよ」 お蘭はふと、近頃人の噂《うわさ》では四郎の人気につけ込んで興行師がこの白痴の少年に目をつけ出したということを思い出した。これは只事《ただご....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
され、柳原の清水山に年を経たる九尾の怪獣の正体はこれでございとはやし立てられて、興行師のふところを余程ふくらませた。 唯ここに一つの疑問として残されているのは....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くなって逃げ出すことになる。おれは無事に通って反物を貰ったなぞと云い触らすのは、興行師の方の廻し者が多かったようです。そのうわさに釣られて、おれこそはという意気....
三人の双生児」より 著者:海野十三
しながら尋ねたのだった。 「それは異状があれば有るといえるのでしょう。でも結局は興行師の無理なこじつけでした。それで見物の衆はインチキ見世物を見せられたことにな....
第四次元の男」より 著者:海野十三
わしい身の上を、余人に語る気はなかった。もしもそんなことをすれば、わたくしは忽ち興行師に追いかけられ、さあ見ていらっしゃい、お代は見てのお帰り――の見世物になっ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
宿の者の耳にも伝わって、いろいろの臆説が尾鰭を添えて忽ちに広がった。見舞いに来た興行師もおどろいて首をかしげていた。 「どうもこれは唯事でないらしい。医師にも容....
モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
っぱりだして、一しょに飲む。むかしは軽演劇の脚本家だが、ちかごろは立身出世して、興行師だそうで、ちゃんと甲斐性ある女房も貰い、実業家ともなれば、朝も早朝よりお目....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
良人の岩矢天狗が、葉子をだせと云って二三度怒鳴りこんだことがあった。天狗は横浜の興行師で、バクチ打、うるさい奴だ。葉子の衣裳まで質に入れてバクチをうつという悪党....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
い息づかいで、鬼の如くに力仕事に精神を使い果したほどである。 一時ごろ、横浜の興行師が来たので、座長、夢之助、彼の三人で料理屋へ招いて、興行を打ち合せ、三時ご....
」より 著者:岡本綺堂
かに小さい。それでも鮫洲で捕れた鯨といえば、観世物にはお誂え向きだから、耳の早い興行師仲間はすぐに駈けつけた。友蔵と幸吉も飛んで行った。 鮫洲の漁師たちも総が....
役者の一生」より 著者:折口信夫
たが、気の悪い役はしなかったので、尤、それには一部分は源之助自身がしようとしても興行師の方がさせなかったというところはあろうけれど、役者として色気があり過ぎたと....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
広鉄腸居士の政治小説『雪中梅』などが盛んに行なわれたので、機を見るに敏なる大阪の興行師はすぐにそれを脚色させて、主人公の国野基を右団次、ワキ役の武田猛を鴈治郎に....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
な雅号で戯作の真似をするというは弁護士の娘が女優になったり、華族の冷飯がキネマの興行師となるよりも一層意外で、『書生気質』が天下を騒がしたのはその芸術的効果より....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
行われた赤穂義士の復讐は、当時に在っても世間を震憾させる大事件だった。抜目のない興行師はそれを芝居に仕組んで名古屋を振り出しに地方の町をうって廻った。江戸市中は....
春泥」より 著者:久保田万太郎
壇にはッきりした存在を……ゆるぎのない根ざしをもつことになった。役者としてよりも興行師としての手腕をより多くもつ倭は、その機を外さず、すぐまたかぶせて二の矢を継....