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舌打ち
「舌打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舌打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
来た。
「またか。」
陳は太い眉を顰《しか》めながら、忌々《いまいま》しそうに
舌打ちをした。が、それにも関らず、靴《くつ》の踵《かかと》を机の縁《ふち》へ当て....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
牧野はばたりと畳の上へ、風俗画報を抛《ほう》り出すと、忌々《いまいま》しそうに
舌打ちをした。……
「かれこれその晩の七時頃だそうだ。――」
今までの事情を話....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ち》じゃ女中が二人いたって、ちっとも役にゃ立たないんですよ。」
お絹はちょいと
舌打ちをしながら、浅川の叔母と顔を見合せた。
「この節の女中はね。――私の所なん....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
尋ねますから、「いや僕の方じゃない。混線だろう。」と答えますと、泰さんはちょいと
舌打ちをした気色で、「じゃ一度切って、またかけ直すぜ。」と云いながら、一度所か二....
「或る女」より 著者:有島武郎
売をする人には珍しい厳格なこの永田に会うめんどうを避けるためだった。葉子は小さく
舌打ちして、為替ごと手紙を引き裂こうとしたが、ふと思い返して、丹念《たんねん》に....
「或る女」より 著者:有島武郎
砂の上に突っ伏して、今にも絶え入りそうに身もだえする葉子を、倉地は聞こえぬ程度に
舌打ちしながら介抱せねばならなかった。
その夜旅館に帰ってからも葉子はいつまで....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
その話をして、雁金検事は青竜王の意見をもとめたところ、彼は電話の向うで、チェッと
舌打ちをして云った。 「雁金さん、ポントスは昨夜から今日の昼頃までに殺されたんで....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
敵機が関東北部へ向かったというので、さては小泉、太田の中島飛行機工場へ行ったかと
舌打ちしたが、そのうちに敵機隊は南下を開始した。爆弾は関東北部で落として来たのか....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
どもなく笑いだした。 「ちょッ、二度目の失敗だ」 いまいましそうに怪人ガスコは
舌打ちして、電波をだす輪を足許へなげすてた。 すると、いままで部屋じゅうを荒れ....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
いていた。 「ちぇッ、きさまは猫々か、いっぱい喰わしたな」 烏啼は無念のあまり
舌打ちをした。 「折角御来邸の案内状を頂いたのに、留守をしていては申訳ないからね....
「恐竜島」より 著者:海野十三
「あ、スコールがやって来た。あいにくのときに、やって来やがった」 ラツールは
舌打ちした。 「あ、すべる」玉太郎がさけんだ。崖の斜面は、滝のようになって雨水が....
「空気男」より 著者:海野十三
の中に抛りこんだ。 かくて二人の姿は、この寝室から消え失せた。どこからか博士の
舌打ちの音が聞える。 消身剤 粉末の消身剤をのんだ清家博士は、トタンに大....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
から出ていっていいことになるからなあ」 などと小さい声でつぶやいては、ちぇっと
舌打ちをする。 寝台の上では、杉田二等水兵が相変らず黙りこくっている。 看護....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、どうしたことか、それも右足の方である。 男爵は、瞬間妙にてれたが、チョッ、と
舌打ちして、それを風呂敷包みの中へ押し込み、左足のを探したが、無い! 「宿へ忘れ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
りにて、がばと水を扇りて躍り、綸の張り卒然失せぬ。逸し去りしなり。 『ちェッ』と
舌打ちして、二三秒間、綸を手にせるまま、船前を見つめしが、次で船内にどっと打ち伏....