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舌鼓
「舌鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舌鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
女中が苦笑いして立とうとすると、長々と手を伸ばして、据眼で首を振って、チョ、
舌鼓を打って、 「待ちな待ちな。大夫前芸と仕って、一ツ滝の水を走らせる、」 と....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
身体中に熱く籠っている少年期の性の不如意が一度に吸い散らされた感じがした。代って
舌鼓うちたいほどの甘い哀愁が復一の胸を充した。復一はそれ以上の意志もないのに大人....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
で、ここでは登山者に無代で梅酒というのを飲ませます。喉が渇いているので、わたしは
舌鼓を打って遠慮なしに二、三杯飲みました。そのあいだに案内者は家内から藁を二、三....
「島原心中」より 著者:菊池寛
するというのだろう。楼主が損をするというのか。否、彼は彼女の血と膏とで、もう十分
舌鼓を打った後ではないか。我々が、彼女の死を遮るべき何の口実ももっていないのでは....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
したたらして置くが習じゃ。」 四十二 「少年は味うて、天与の霊泉と
舌鼓を打っておる。 我ら、いまし少年の魂に命じて、すなわちその酒を客僧に勧め飲....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
思いながらお源は洋燈を点火て、火鉢に炭を注ごうとして炭が一片もないのに気が着き、
舌鼓をして古ぼけた薬鑵に手を触ってみたが湯は冷めていないので安心して「お湯の熱い....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
その時は、筧の水に埃も流して、袖の長い、振の開いた、柔かな浴衣に着換えなどして、
舌鼓を打ちましたよ。」 「いずれお酌で、いや、承っても、はっと酔う。」 と日に....
「大江山」より 著者:楠山正雄
んどは生ま生ましい人間の肉を出しました。頼光たちはその肉を切って、さもうまそうに
舌鼓をうちながら食べました。酒呑童子は頼光たちが悪びれもしないで、生き血のお酒で....
「多神教」より 著者:泉鏡花
ゃな。あはははは。おおおお、竜の口の清水より、馬の背の酒は格別じゃ、甘露甘露。(
舌鼓うつ)たったったっ、甘露甘露。きゃッきゃッきゃッ。はて、もう御前に近い。も一....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
笑かしやがらい。こう聞いとくんねえ、私アね、お嬢さんの下さるんなら、溝泥だって、
舌鼓だ、這い廻って甞めるでさ。 土百姓の酒じゃ嬉しくねえ。ヘッ、じゃ飲むなとい....
「いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
出たからたまらない。なにはおいても……と、なったのではなかろうか。 初がつおに
舌鼓を打ったのは、煮たのでも、焼いたのでもない。それは刺身と決まっている。この刺....
「美味い豆腐の話」より 著者:北大路魯山人
に拵えても、飛竜頭に拵えても、これが豆腐かと疑われるばかりに美味かった。湯豆腐に
舌鼓を打って楽しまんとする人は、こんな豆腐を選ばなくてはならない。 嵯峨の釈迦....
「美食七十年の体験」より 著者:北大路魯山人
。栄養というものは人間が自己の欲求して止まぬところの美味。これを素直にとり入れ、
舌鼓打ちながら、うまいうまいと絶叫し続けるところに、おのずと健康はつくられ、栄養....
「若鮎の気品を食う」より 著者:北大路魯山人
る。 四寸ぐらいの若鮎を三枚におろし、洗いづくりにして、わさびで、あるいは蓼で
舌鼓を打つなどは、時節柄、あまり最高を狙う美食道楽に過ぎるものだ。鮎は同時に同所....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
、その無知に後悔しながらも、女房の手料理にあきらめてみたり、愚にもつかぬ小料理に
舌鼓を打ち、憚りもなく食物談に興じ、やがて金廻りがよくなり、家を造る段になると、....