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「舞う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舞うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。 それから重吉は茶の間の隣りにやはり床に就いている姑《しゅうとめ》のお鳥を見舞うのだった。お鳥は玄鶴の寝こまない前から、――七八年前から腰抜けになり、便所へ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
しい。長崎《ながさき》あたりの村々には、時々日の暮の光と一しょに、天使や聖徒の見舞う事があった。現にあのさん・じょあん・ばちすたさえ、一度などは浦上《うらかみ》....
或る女」より 著者:有島武郎
い反抗的な心持ちさえその場合起こらずにはいなかった。過ぐる十日というもの一度も見舞う事をせずにいて、今さらその由々《ゆゆ》しげな顔つきはなんだ。そう倉地にでも岡....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、柔かに結ばれて、夫人の閨に、するすると繋っていたのであった。 菫が咲いて蝶の舞う、人の世の春のかかる折から、こんな処には、いつでもこの一条が落ちている、名づ....
海異記」より 著者:泉鏡花
思って目さあけると、船の中は大水だあ。あかを汲み出せ、大変だ、と船も人もくるくる舞うだよ。 苫も何も吹飛ばされた、恐しい音ばかりで雨が降るとも思わねえ、天窓か....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
ものが二三人居る。 起きろ野郎共、汽笛が鳴ってらい。さ、今日ですっかり片付けて仕舞うんだ。 而して大欠伸をしながら、彼は寝乱れた労働者の間を縫って、オデッサ丸....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
す。御性急でいらっしゃいますから、御機嫌に障ると悪い。ここは、楽しむ処、歌う処、舞う処、喜び、遊ぶ処ですよ。 美女 ええ、貴女方は楽いでしょう、嬉しいでしょう、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
身を揉む姿の着崩れして、袖を離れて畳に長い、襦袢の袖は媚かしい。 「何、その舞を舞うのかい。」と弥次郎兵衛は一言云う。 捻平膝の本をばったり伏せて、 「さて、....
海の使者」より 著者:泉鏡花
颯々と瀬になって、畦に突き当たって渦を巻くと、其処の蘆は、裏を乱して、ぐるぐると舞うに連れて、穂綿が、はらはらと薄暮あいを蒼く飛んだ。 (さっ、さっ、さっ、 ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
と言うかと思う、声の下で、 「ほほほほほ」 と口紅がこぼれたように、散って舞うよと花やかに笑った。 ああ、膚が透く、心が映る、美しい女の身の震う影が隈な....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
りと浮くと、蝋燭が灯を点じた。二つ三つまた五つ、灯さきは白く立って、却って檐前を舞う雪の二片三片が、薄紅の蝶に飜って、ほんのりと、娘の瞼を暖めるように見える。 ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
はじめた。 この光、ただに身に添うばかりでなく、土に砕け、宙に飛んで、翠の蝶の舞うばかり、目に遮るものは、臼も、桶も、皆これ青貝摺の器に斉い。 一足進むと、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
どの難題はめったにありませぬ。さればとて、それが話の順序であれば、無理に省いて仕舞う訳にもまいりませず、本当に困って居るのでございまして……。ナニ成るべく詳しく....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
を整える。彼は幾つかの不可犯の法則によりて支配せられる。若しこれを犯せば、彼を見舞うものは不幸であり、損害であり、若し又|之を守れば、彼に訪るるものは進歩であり....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、黄なる瓜も、颯と銀色の蓑を浴びる。あくどい李の紅いのさえ、淡くくるくると浅葱に舞う。水に迸る勢に、水槽を装上って、そこから百条の簾を乱して、溝を走って、路傍の....