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「舳先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舳先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んか》がものをいったとみえまして、通りすがりの伝馬船が倉皇《そうこう》としながら舳先《へさき》を岸へ向けましたので、ふたりはひらりと便乗――まだ混乱のままでいる....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
壮観でした。右の十何色のうちから、風しだい舵《かじ》しだいで、はしの向いたほう、舳先《へさき》の向いたほうをたっぷりいただくと、もうこれで胆力はじゅうぶん、とい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に船が出たので、人々は思い思いに乗り込んだ。女は船のまん中に乗った。半七と庄太は舳先に乗った。やがて向うの堤に着いて、江戸の方角へむかって歩きながら、半七は小声....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たとみえて、急に傾いてゆれた船はたがいにすれ違う調子をはずして、向うから来た船の舳先がこっちの船の横舷へどんと突きあたった。 つき当てられた船はひどく揺れて傾....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
って見せるのもこの人だ。川一丸、関東丸、十一間丸などと名のある大船を水に浮かべ、舳先に鎗を立てて壮んな船遊びをしたという武家全盛の時代を引き合いに出さないまでも....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
を遠景にして、それらのオランダ船を描いている。それには、ちょうど入港する異国船が舳先に二本の綱をつけ、十｜艘ばかりの和船にそれをひかせているばかりでなく、本船、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
長浜から、琵琶湖の湖面へ向って真一文字に、一隻の小舟が乗り出しました。 舟の舳先《へさき》の部分に、抜からぬ面《かお》で座を構えているのが、盲法師《めくらほ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
くたって一つの大浪にどゝどゝどーんと打揚げられまして、じゝゝゝじーと波の中へ船の舳先を突込みまして動かなくなりました。山三郎ははて船が流れ着いたなと、漸と起上っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
被って羅紗《らしゃ》の筒袖を着て、手に巻尺と分銅《ふんどう》のようなものを持って舳先《へさき》に立っていた人、それがどうも駒井甚三郎殿としか見えないのでござった....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
の胴の間というに我々一行の如きが乗るのであるから、頭を高くあげるとつかえる。櫓は舳先や艫《とも》に三、四挺あるが、櫓で運ぶという事は、よくよく順潮の時に少しやる....
「織成」より 著者:田中貢太郎
になったぞ。」 波が急に湧きたって来て、その波頭が空の陽をかくすように見えた。舳先を並べていたたくさんの舟はみるみる漂わされて別れ別れになった。柳の舟では柳が....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を取り合った。朗らかな夕暮に眺め入って、切れ切れの言葉で話した。 船に乗ると、舳先《へさき》の方に、明るい影の中にすわって、なんでもない事柄を話そうとつとめた....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
けられぬ。 向き合っていて、何か工んでいられるらしかった。 そして前の数艘の舟の舳先が、エウロタ川の 深い入江に這入って、岸に触れると、神の教でも 受けたように....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
に美し過ぎた。騙し舟。折紙の、帆先をどんなに一生懸命持っていても、目つむれば忽ち舳先と変っている。それは少年の頃の幼い哀しみ。これにはもっと恐しい仕掛からくりが....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
を大きな船が行く．船の中にはヤイレスポと，ポニポニクフと，その部下たちの死体が，舳先に積みあげられ，艫に積みあげられてあった． そこで，俺は，草原の小鳥に身を....