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舵機
「舵機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舵機の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
を童話のようなものにしていた。けれども、稚市自身はどうしたことか、両腕をグングン
舵機のように廻しながら、おりおり滝人のほうを眺め、ほとんど無我夢中に、前方の樹下....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
どの棚《たな》からも、いろんなものが落ちる。ランプのカップからランプが踊り出る、
舵機《だき》は非常にその効力を減じられる。速力は今ではもう推進器の空転の危険から....
「怪夢」より 著者:夢野久作
ングン大きくなって、ハッキリした単葉の姿をあらわして来た。 私は心構えしながら
舵機《だき》をシッカリと握り締めた。 ……二千五百の高度……。 ……静かなプ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
幾つとなく大小様々な歯車が並び重なっている間に、数段にも自働的に作用する複雑な方
舵機があり、色々な関節を動かす細い真鍮棒が後光のような放射線を作っていて、その間....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
、ボロ船だがな」 「一刻と云えないようです」 「うん、それア大変だ」 船長は、
舵機室に上るために、急いで、身仕度もせずにドアーを開けようとした。然し、まだ開け....
「怪塔王」より 著者:海野十三
「もうすこしだ、がんばれ」 塩田大尉は操縦員をしきりにはげましています。 「
舵機をねらえ。こっちの車輪で、あの
舵機を蹴ちらせ」 大尉のあとにしたがう各偵察....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
るうちに、盆と正月とが一緒に来たような喜色がハッキリと浮かび上りました。操舵手は
舵機のところへ、魚雷射手は発射管のところへ、飛んでゆきました。 ×の駆逐艦....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
人を克服せんとする意気で、柔腕にもかかわらず、千五百|噸の巨船が自由自在に動き、
舵機も、スクリウも、僕の命ずるがままになってくれる。同じ素人の陳君も、旨くやって....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
かに顔をめぐらして、岩城の明かりを、もの欲しげに見やるのだったが、その時、軍船の
舵機が物のみごとに破壊された。新しい囚虜を得た、歓呼の鯨波が、ドッといっせいに挙....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
抵抗を中止して、君の意見に従おう」 と同時に、機関の音がやみ、石割一等運転手が
舵機室から出てきた。彼はそれまで、あわよくば衝角を狙おうと、操舵していたのであっ....
「氷れる花嫁」より 著者:渡辺温
くれた外套にくるまりながら、決然たる態度で舵輪を廻している。 32 船尾。 33
舵機――舵のついていない心棒ばかりが波間に空しく廻転した。 34 大洋を走る運命....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
。と、皆は手と足を一杯に振って、雀の子のように口をならべて、「万歳!」を叫んだ。
舵機室と機関室から、船の人が帽子を振って何か云った。皆は喜んで、又「万歳!」を叫....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
真横に見せて、さほど遠からぬ沖合を駛っている。 あ、光ってる、光ってる。あれは
舵機室の硝子だ。 あ、あの檣、煙突、煙、々、々、 あ、黄だ、白だ、紫だ、赤だ....