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船体
「船体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の煙のように濛々《もうもう》と南に走って、それが秋らしい狭霧《さぎり》となって、
船体を包むかと思うと、たちまちからっと晴れた青空を船に残して消えて行ったりした。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
らはもうまっ白な泡に五体を引きちぎられるほどもまれながら、船底を上にして顛覆した
船体にしがみつこうともがいていた。見ると君の目の届く所には、君の兄上が頭からずぶ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が見え初めるということを観察したに相違ない。同様にまた陸から見ている人には初めに
船体の低い部分が海に隠れ最後に帆柱の先端が隠れることを知ったであろう。これらの事....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
き進路を妨げられてしまった。 宇宙艇の船腹には太陽の光がとどいているので鳶色の
船体がくっきり浮び出ていた。其の時、望遠鏡の円い視界の中に、左端からしずしずと動....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に落ちた。 「ううん――」 照準手は、把手を、カチャリと、下に引いた。微かに、
船体が、グッと持ちあげられたように感じた。三個の重爆弾が、発射孔を通って、サーッ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
らさがってコックリコックリいねむりをしていた。ロボット操縦装置を持ったメリー号の
船体だけが、一こう変らぬ全速力で、まっくらな海上を東に向かって航行していった。 ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
。 後から考えるのに、このときモンパパ号は突如《とつじょ》として大爆発を起し、
船体は粉砕し、一団の火光になって四方へとびちったのであった。わずか数秒間のすこぶ....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
しは、もう船長を辞職だ」 わいわいいっているうちに、とつぜん大きな音響と共に、
船体はひどい衝動をうけ、ぐらぐらと大揺れに揺れたかと思うと、今度はぱったり動かな....
「火星兵団」より 著者:海野十三
らしい。空中を飛ぶあの大きな音も、もう聞えなくなった。そうして、火星のボートは、
船体から例のうすもも色の光を出して、あちこちに塔を並べたように立っていた。
時....
「火薬船」より 著者:海野十三
が、わが平靖号の壮途の最後に近い時ならば、それは、だれかがいったように、こっちの
船体を、ノーマ号の
船体にぶっつけ、ともに天空へふきあげられてけむりになってしまう....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
いわずみんないいあわしたようにほっとため息をついて、なに一つこわれたところのない
船体をふしぎそうにながめまわすのであった。 敦賀港 そののちは、べつにか....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
どどん、どどん。 がーん、がーん、がーん。 たちまち起る地獄変の絵巻――
船体は火の嵐に吹きちぎられて、みる間に、どろどろと怒れる波間に吸いこまれてゆく。....
「取舵」より 著者:泉鏡花
無く乾きたるにぞ、蟄息したりし乗客|等は、先を争いて甲板に顕れたる。 観音丸は
船体|小にして、下等室は僅に三十余人を容れて肩摩すべく、甲板は百人を居きて余ある....
「西航日録」より 著者:井上円了
り発錨す。汽船は若狭丸と号し、六千二百六十トンの大船なり。晩来風浪少しく起こり、
船体ために微動せるも、かえって催眠の媒介となり、遠灘七十三里は一夢のうちに過ぎ去....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ごとし。日中に至り、大快晴となるとともに暑気を覚ゆ。午後、はるかに汽煙を認むるも
船体を見ず。夜に入りて、スペイン海を過ぎてビスケー湾に入る。 五日、快晴。北風....