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船底枕
「船底枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船底枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
の顔を見上げた。彼女は産に間もない大きな腹を苦しそうに抱えて、朱塗《しゅぬり》の
船底枕《ふなぞこまくら》の上に乱れた頭を載せていた。 「そんなに気になさるなら、....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
、日本的に翻訳して描いて見るとかなり困った図が出来上るのだ、即ち煙草盆、枕屏風、
船底枕、夜着赤い友染、などといったものが現われて来るのだ、そして裸の女が立ってい....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
号の力作で現れたらむしろ嫌らしいと思う。臥裸婦というわけのわからぬ名題によって、
船底枕に友禅の掛布団、枕もとに電気スタンド、団扇、蚊やり香、しかしてあまりの暑さ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
は綺麗《きれい》な、ちりめんの小枕《こまくら》に絹糸の房の垂れている、きじ塗りの
船底枕《ふなぞこまくら》をわきによせながら、花莚《はなござ》の上へ座ったままでい....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
団を敷いて、おもんは、その上で血を吐いて死んでいる。 よほど苦しかったと見え、
船底枕《ふなぞこまくら》を粉々に握りつぶしている。血の痕を辿って見ると、いちど土....
「妾宅」より 著者:永井荷風
ように、そして立膝《たてひざ》した長襦袢《ながじゅばん》の膝の上か、あるいはまた
船底枕《ふなぞこまくら》の横腹に懐中鏡を立掛けて、かかる場合に用意する黄楊《つげ....