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船方
「船方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船方の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
お松の顔は深く自分の頭に刻まれた。 七八年過ぎてから人の話に聞けば、お松は浜の
船方の妻になったが、夫が酒呑で乱暴で、お松はその為《ため》に憂鬱性の狂いになって....
「「紋」」より 著者:黒島伝治
方は、本土から帰ってばあさんに云った。 「そうかいの。」と、ばあさんは、じいっと
船方を注視して話をきいた。 それは、船が本土を出帆するまぎわになると、放り上げ....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
で立ち食いの客を待っている。売っている品は言わずもがなで、食ってる人は大概|船頭
船方の類にきまっている。鯛や比良目や海鰻や章魚が、そこらに投げ出してある。なまぐ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
何者だい。」 「あれですか、なに、あいつは、ジャンクに乗ってた時、一緒に働いてた
船方でがすよ。あれで、今なか/\金をしこたまこしらえてるんでがすよ。」 「貴様、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、廓《くるわ》にもないという噂《うわさ》ですけれど、少し下品じゃありませんか。お
船方の綾居殿はキリリとしておいでなさるが、額つきが横から見るといけませんよ。お旗....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
てこの侍に頭を下げた泰軒、栄三郎を促して、差しまわしの船に飛び乗った。
屈強の
船方がそろっている。
すぐに櫓なみをはずませて、左膳の船のあとを追い出した。
....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
の隠し鯨は、御船手付の船頭と舟子が、藩船を使ってやったという、性の悪い事件で、お
船方は総体打首。お船手御小人は切腹を申付けられることになろう……。もっとも、口書....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
は、市ヶ谷大原町木具職遠州屋甚七というのが、十六文盛りの蕎麥四十二杯を平らげ、御
船方の国安力之助が三十六杯、浅草の神主板垣平馬が、同じく三十五杯。 十六文盛り....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
りますが、積荷よりは、お客様方のお越しのほうが、滅相おはやく見えられましたので、
船方衆にいいつけて、ただ今あわててお坐り場所を先に整えさせておりますので」 「同....
「山の人生」より 著者:柳田国男
も山神がその好意をめでて、のちのち山の幸を保障したことは同じであった。 猟師は
船方などとは違い、各自独立した故郷があって、互いに交通し混同する機会は決して多く....