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船板塀
「船板塀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船板塀の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
球表面上から絶滅しないのであります。警察に出る捜索願いが絶えないわけであります。
船板塀に見越しの松や、売れなくともよい小売店の影は決して世の中から消え失せない道....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
だけ、生ぬるいほどほかほかする。 四辺に似ない大構えの空屋に、――二間ばかりの
船板塀が水のぬるんだ堰に見えて、その前に、お玉杓子の推競で群る状に、大勢|小児が....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
》き紅竹《べにだけ》
一
すっかり傾いた明《あ》けの月。
通りすがりの
船板塀から、松の枝が、おどりの手ぶりのような影を落として、道路のむこうを、猫が一....
「嵐」より 著者:寺田寅彦
の七番と札のついた小さい室を借りていた。ちょっとした庭を控えて、庭と桑畑との境の
船板塀には、宿の三毛が来てよく昼眠をする。風が吹けば塀外の柳が靡く。二階に客のな....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
べている髯の黒い男を気にしながら、「もとは柳橋にいた奴だよ、今は、駒形堂の傍に、
船板塀に見越の松と云う寸法だ、しかも、それが頗るの美と来てるからね」と小声で云っ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
後をがらがらと閉めて、 「さ、桜間さん、どうぞこちらへ」 と、新吉の声が招く。
船板塀の中はシットリと打ち水に濡れていた。 燈籠の灯が、暗きに過ぎず明るきに過....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
三輪へ出た。 この辺には、江戸の商家や吉原の楼主の寮が多い。ここもその一軒か、
船板塀に冠木門。大亀は小声を出して指さした。 「さ、これから金の算段だが、宵強盗....