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船遊び
「船遊び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船遊びの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
たりを見廻《みまわ》すと、幸い、苫《とま》で四方を包んだ船がある。将軍が大堰川へ
船遊びの際、伴船《ともぶね》に使う屋根船で、めったに人の手に触《ふ》れません。昭....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
庭先へ飛び下りて、空を眺《なが》め出したが、少し降ってると答えた。 彼は今日の
船遊びの中止を深く気遣《きづか》うもののごとく、二人の姉まで縁側へ引張出して、し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あらためたが、ここにはなんの獲物もなかった。 三 「柘榴伊勢屋の亭主は
船遊びが好きで、お俊が柳橋にいる頃から、一緒に大川へ出たことがあるそうだと、角屋....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
、ある芸妓《げいしゃ》がある男と深い関係になっていたのだそうで。その両人がある時
船遊びに出ました。そこいらを漕《こ》ぎ廻った末、都合のいい磯《いそ》へ船をもあい....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。われわれの一行は孔雀丸に乗った。 伝え聞く、伊達政宗は松島の風景を愛賞して、
船遊びのために二|艘の御座船を造らせた。鳳凰丸と孔雀丸とが即ちそれである。風流の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。川一丸、関東丸、十一間丸などと名のある大船を水に浮かべ、舳先に鎗を立てて壮んな
船遊びをしたという武家全盛の時代を引き合いに出さないまでも、船屋形の両辺を障子で....
「孟買挿話」より 著者:吉行エイスケ
九時頃に及んで荷揚場から黒奴に案内されてデッキに昇っていった。そこから孟買の港に
船遊びする富限者船の燈が明滅するのを眺めながらサルーンから響いてくる音楽と歓談の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ならば花見の客が雑踏《ざっとう》し、梅屋敷《うめやしき》の梅、夏は、酒をつんでの
船遊び――。
が、今は秋も半《なか》ば。
草紅葉の広い野に、まばらな林が風に....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
水中に人あり、海坊主の如く現われて、会に中止解散を命じぬ。図《はか》らざりきこの
船遊びを胡乱《うろん》に思い、恐るべき警官が、水に潜《ひそ》みてその挙動を伺《う....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
じゃあるまいな」 「あいかわらず、悪い口だ。……いくらあっしが下戸《げこ》でも、
船遊びぐらいはいたします。……これがあたしの持病でね。……まア、いっぱい召しあが....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
》してしまった上に櫂《かい》を一本折ってしまった。一同は皆親がかりのものばかり、
船遊びをする事も家《うち》へは秘密にしていた位なので、私たちは船宿へ帰って万一破....
「黒い塔」より 著者:小川未明
して、姉はへやのうちに閉じこもってさびしく日を送りました。母や、妹は、音楽会や、
船遊びなどに出かけられるのを、自分だけは、ただこの窓から、遠くの空しかながめるこ....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
ょうは、御内意によって、他へお使いのついでに寄ったのじゃ。来月、浜書院で上様のお
船遊びが催される。その折、兄弟どもも皆、誘えという御詫じゃ。――但馬守に伝えても....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
慰めに送ったらしい。すると忽ちそれの好評がまた拡まって、やれ花見に、やれ隅田川の
船遊びにと、ほかの権勢家への贈答にも利用され、指物師は巨利をはくしたという事であ....