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艦首
「艦首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艦首の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
折れてしまう海戦だった。…… 二万噸の××は白じらと乾いたドックの中に高だかと
艦首を擡げていた。彼の前には巡洋艦や駆逐艇が何隻も出入していた。それから新らしい....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
った濤頭が、夜目にも白々と映った。 僚艦も稍難航の体で、十度ほど傾斜しながら、
艦首から、ひどい浪を被っていた。 鹿島灘の護り いよいよ米国大空軍の来襲....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
が、また陰の暗きに消えぬ。甲板の上|寂として、風冷ややかに、月はいよいよ冴えつ。
艦首にうごめく番兵の影を見越して、海を望めば、ただ左舷に淡き島山と、見えみ見えず....
「難船小僧」より 著者:夢野久作
って来る。 ……と思ううちに、やがて谷底へ落ち付いた一|刹那、次の波の横っ腹に
艦首を突込んでドンイイインと七噸から十噸ぐらいの波に
艦首の甲板をタタキ付けられる....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
そのうち、怪艦は、また猛烈な勢いで、水中を航進していったが、あわやと思ううちに、
艦首を、はげしく、海底突堤にぶっつけてしまった。 「あっ、無茶なことをやる!」 ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
べからざる奇蹟が海上において起ったのである。 見よ、戦艦オレンジ号は、とつぜん
艦首を水面から持ち上げた。赤いペンキで塗った膨《ふく》れあがったバルジが、海面か....
「火薬船」より 著者:海野十三
命令は下ったのだ。 駆逐艦松風は、まもなく全速力で、怪船のあとをおいかけた。
艦首から左右に、雪のような真白な波がたって、さーっと高く後へとぶ。 一体あの怪....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
局長。君はなかなか想像力がつよい。しかしまさかね」 「いや、船長、このボルク号の
艦首は、ひどく壊れているのです。舳のところに何物かをぶっつけた痕があります。私は....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
第一不思議なのは本艦の方向だよ。或時は東南へ走っているかと思うと、或時は又真東へ
艦首を向けている」 「そうだ。俺は昨夜、オリオン星座を見たが、こりゃひょっとする....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
あがった。 「出港用意!」 伝令は号笛をふきながら、各甲板や艦内へふれている。
艦首へ急ぐもの、艦尾へ走るもの。やがて、飛行島へつないでいた太い舫索が解かれた。....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
ル・ダムのうしろの山にマルセイユ・マタンのネオン・サインがつき、沈みかけた夕陽が
艦首に斜めにさしかけてご紋章のところが金色にキラキラ輝いた。 パパはなにもいわ....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
、一隻の怪艦が、この島の北の海上へぽっかりと姿をあらわした。そして、大胆不敵にも
艦首を魔の水門に向けたではないか。 寒い空には烈風が悲鳴をあげている。氷のよう....