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良人
「良人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
社会では男まさりのしっかり者という評判を取り、家内では趣味の高いそして意志の弱い
良人《おっと》を全く無視して振る舞ったその母の最も深い隠れた弱点を、拇指《ぼし》....
「或る女」より 著者:有島武郎
姿と心とで火鉢《ひばち》により添った。世の中は二人きりのようだった。いつのまにか
良人《おっと》とばかり倉地を考え慣れてしまった葉子は、ここに再び情人を見いだした....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ぬかれるな」とでもいいそうな顔を妻の方に向けて置いて、歩きながら帯をしめ直した。
良人《おっと》の顔付きには気も着かないほど眼を落した妻は口をだらりと開《あ》けた....
「星座」より 著者:有島武郎
は半身|不随《ふずい》になったので、床にばかりついていた。気丈《きじょう》な母は
良人の病が不治だということを知ると、毎晩家事が片づいてから農学校の学生に来てもら....
「外科室」より 著者:泉鏡花
うつつ》の間に人に呟《つぶや》かんことを恐れて、死をもてこれを守ろうとするなり。
良人《おっと》たる者がこれを聞ける胸中いかん。この言《ことば》をしてもし平生にあ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に是非と云って、達引きそうな朋輩はないか、と煩く尋ねるような英吉に、厭なこった、
良人が手を支いてものを言う大切なお嬢さんを、とお蔦はただそれだけでさえ引退る。処....
「海異記」より 著者:泉鏡花
下で小さく躍る。 「じゃ、内の人も帰って来よう、三ちゃん、浜へ出て見ようか。」と
良人の帰る嬉しさに、何事も忘れた状で、女房は衣紋を直した。 「まだ、見えるような....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
主ですから、ごらんの通りゆっくりじゃえな。ほんにお師匠さん佳いお声ですな。なあ、
良人。」と、横顔で亭主を流眄。 「さよじゃ。」 とばかりで、煙草を、ぱっぱっ。....
「女客」より 著者:泉鏡花
日目ぐらいから、やいやい帰れって、言って来て、三度めに来た手紙なんぞの様子じゃ、
良人の方の親類が、ああの、こうのって、面倒だから、それにつけても早々帰れじゃあり....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
黒百合をお雪の手に与えると斉しく、巌を放れてすっくと立って、 「不可ねえや、お前
良人があるんなら、おいら一所に死ぬのは厭だぜ。じゃあ、おい勝手にしねえ。」 と....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は後に三浦家へ嫁入りしてから習いました。最初私は馬に乗るのが厭でございましたが、
良人から『女子でもそれ位の事は要る』と言われ、それから教えてもらいました。実地に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。 無論死は直ちに彼女を奴隷的苦境から解放する。彼女の方では上昇し、之に反して
良人の方では下降する。が、愛の絆はこれが為めに断絶することはない。同棲はしないが....
「初雪」より 著者:秋田滋
れもしない、彼女がノルマンディーの貴族と結婚させられたのは、四年前のことである。
良人というのは、鬚の濃い、顔色のつやつやとした、肩幅の広い男で、物わかりは余りい....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
より少し高くても出来ることである。 一八五九年、王立協会にてヴィクトリア女皇の
良人アルバート親王、並びに一般の会員に対して講演したものも入れてある。総頁は四百....
「寡婦」より 著者:秋田滋
その人は十二になる男の子と、私の母の妹である女を寡婦として残して逝かれました。
良人に先立たれた叔母は、その子供を連れて、ペルティヨンの領地にあった私の父の家へ....