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良家
「良家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
に萎靡《いび》し終らんとす。坐視《ざし》するに忍びざるものあり。幸いにして東京に
良家のあるありて、彼女のために適所を供さば、たんに心身の更生《こうせい》を僥倖《....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
異《かわ》っている」 馭者は心ひそかに驚きたるなり。渠はもとよりこの女をもって
良家の女子とは思い懸《か》けざりき、寡《すく》なくとも、海に山に五百年の怪物たる....
「富士」より 著者:岡本かの子
だが、ぜひ自分でなくてはと望むらしい熱意ある需《もと》めとは受取れなかった。良山
良家の年頃の娘でさえあれば、一応、口をかけて問合わされる在り来りのものに過ぎなか....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
自己嫌悪にさえかかって、そのまま手紙を二三日放って置いた。 いくらか習わされた
良家的の字には違いないが、生来の強い我が躾の外へはみ出していて、それが却って清新....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
働く。こういう折々、いつも私は思うのであるが、これは氏の天資か、幼時からの都会の
良家的「お仕込み」で、習性となって居る氏の動作が、このほか松葉杖つく画家K氏を、....
「橋」より 著者:池谷信三郎
花束に囲まれたことがあるのです。令嬢だと言えば、彼女は寝床も上げたことのない懶い
良家の子女なのです。それが彼女の強い主観なのです。 問。そう解っていれば、被告は....
「現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
わあわあ騒ぐ。けれども家へ帰って家庭の人となる時は、まるで別人になっておとなしい
良家の娘になる。それでいて、どっちにもちっとも矛盾を感じないのは、われながら不思....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
お筆を責めるわけにもいかないのであるが、そんな取持ちをしたというだけでも、彼女は
良家の家庭に歓迎されるべき資格をうしなっていた。可愛い娘に別れてややヒステリック....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
ばかり入れられていた。この裏面には継母の邪曲も潜むのであった。 既に定っていた
良家への縁談は腹違いの妹にと移された。 稲代はかかる悲運に陥いれた種蒔の若者達....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
の息子。二十三歳。 おさき 源右衛門妻。五十四歳。 おくみ 孤児の女中、もと
良家の娘、源兵衛の許嫁。十八歳。 円命阿闍梨 三井寺の長老。 三井寺の法師稚児....
「軽女」より 著者:上村松園
人は言う。 (七尺の屏風も躍らばよも踰えざらん) の一句は、内蔵助には、 (吉
良家の屏風高さ幾尺ぞ) と、響いたことであろう……と。 哀しみを胸に抱きなが....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
のだった。 「一体、三枝の今日の態度は何とした事であろう。美しい、そしてたいへん
良家の令嬢を恋女房とする事の出来る日の近づいていた彼にとっては、来る日来る日が幸....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
れが江戸の出来事でもあり、多人数が党を組んでの討入りでもあり、現に大石内蔵助の吉
良家討入りは浄瑠璃坂の討入りを参考にしたのであると伝えられている位であるが、どう....
「砧」より 著者:上村松園
聞かす。 この話を聞いて妻はそれでは私も砧を打ってみようという。夕霧は、一旦は
良家の女人の業でないと止めるが、その熱心さにひかされて砧を部屋の中にしつらえ二人....
「寛政時代の娘納涼風俗」より 著者:上村松園
月蝕は今迄余り多く描かれて居りませんから一度描いてみたいと胸に浮びましたのが動機です。 あの画は寛政の頃の
良家の娘さんの風俗で夏の宵広い庭に降り立って涼を納れて居ります時に「今夜は月蝕だ....