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艱難
「艱難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艱難の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
もあれば、求馬《もとめ》の敵でもあった。が、それよりも先にこの三年間、彼に幾多の
艱難を嘗《な》めさせた彼自身の怨敵《おんてき》であった。――甚太夫はそう思うと、....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
魂を救うために地上へ御降誕《ごこうたん》なすったのです。お聞きなさい、御一生の御
艱難辛苦《ごかんなんしんく》を!」
神聖な感動に充ち満ちた神父はそちらこちらを....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
両親は酒飲みでも或は又|博奕《ばくち》打ちでも好い。問題は唯尊徳である。どう云う
艱難辛苦《かんなんしんく》をしても独学を廃さなかった尊徳である。我我少年は尊徳の....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ょうまんは》、尚非世俗白衣所宜《なおせぞくびゃくえのよろしきところにあらず》。』
艱難《かんなん》の多いのに誇る心も、やはり邪業《じゃごう》には違いあるまい。その....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
らい》諸君はこの農場を貫通する川の沿岸に堀立小屋《ほったてごや》を営み、あらゆる
艱難《かんなん》と戦って、この土地を開拓し、ついに今日のような美しい農作地を見る....
「星座」より 著者:有島武郎
やと存じむしろ御同情を禁じがたく候えどもけっして女子の現状に屏息《へいそく》せず
艱難《かんなん》して一路の光明を求め出でられ候よう祈りあげ候時下晩秋黄落しきりに....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
れませぬ。 こうは覚悟していますものの、いよいよ二人一緒になるまでには、どんな
艱難を見ることか判りませぬ。何とぞわたしの胸の中を察してくださいませ。常にも似ず....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
た蚊帳越に打視め、 「お最愛しい、沢山お窶れ遊ばした。罪も報もない方が、こんなに
艱難辛苦して、命に懸けても唄が聞きたいとおっしゃるのも、母さんの恋しさゆえ。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
た、拓さん。」 と判然、それも一言ごとに切なく呼吸が切れる様子。ありしがごとき
艱難の中から蘇生って来た者だということが、ほぼ確かめらるると同時に、吃驚して、 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
にも、そちを連れる。』命はそう仰せられたそうで、又姫の方でも、いとしき御方と苦労
艱難を共にするのが女の勤めと、固く固く覚悟されたのでした。 幾年かに跨る賊徒征....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
も人生の悪戦苦闘を、首尾よく切り抜けて、凱歌を挙げた魂が、更に更に尊い。いわゆる
艱難汝を珠にすで、試練によりて浄化されたる魂が、死後に於て特別の境涯を与えられ、....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
生には雨があり風があり、沈むばかりに船が傾くことがありますように、私もさまざまな
艱難辛苦の時を経てまいりました。ある時は芸術的な行き詰まりに、ある時は人間的な悩....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に入りてより以来、その精神は常に宗教の熱を帯び、氷雪飢餒の間にその寒を忘れ、刻苦
艱難して得たるところの結果は、米国今日の文明なり。しかるに、今日にありては血管中....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。たとい南米は富源地に満つというも、手を懐にして金もうけのできるはずなく、多少の
艱難辛苦を忍ぶの覚悟あるを要す。しかしてその覚悟を断行するには、必ず強固なる意志....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
難い蠱惑だ。あすこに住まっていると自分というものがはっきりして来るかに思われる。
艱難に対しての或る勇気が生れ出て来る。銘々が銘々の仕事を独力でやって行くのに或る....