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色刷
「色刷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色刷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虫干し」より 著者:鷹野つぎ
大きな眼や、手拭かぶりや、蛇目傘《じゃのめがさ》や、柳の木や、黒塗の下駄などが、
色刷の一枚ごとの美しさを競うように、眼うつりになって、きらびやかにちらついて見え....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
嵌っていて、眉はやや迫って濃かった。かの女は逸作の所蔵品で明治初期の風俗を描いた
色刷りの浮世絵や単色の挿画を見て知っていた。いわゆる鹿鳴館時代と名付ける和洋混淆....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
と古い歴史をもった市街のパノラマが目の前に押し広げられるのである。子供の時分から
色刷り石版画や地理書のさし絵で見慣れていて、そして東洋の日本の片田舎に育った子供....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
という効果はあった。 中学時代には、油絵といえば、先生のかいたもの以外には石版
色刷りの複製品しか見た事はなかった。いつか英国人の宣教師の細君が旧城跡の公園でテ....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
あろう。今書店の店頭に立っておびただしい少年少女の雑誌を見渡し、あのなまなましい
色刷りの表紙をながめる時に今の少年少女をうらやましく思うよりもかえってより多くか....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
のであろう。ずいぶん俗悪な木版刷りではあったが、しかし現代の子供の絵本のあくどい
色刷りなどに比較して考えるとむしろ一種稚拙にひなびた風趣のあるものであったように....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
の『老子』というのが出て来た。たった七十一頁の小冊子である。値段が安いのと表紙の
色刷の模様が面白いのとで何の気なしにそれを買って電車に乗った。そうしてところどこ....
「病院風景」より 著者:寺田寅彦
ら、東京の空の光がいっぱいに流れ込む。やや煤けた白い壁。婦人雑誌の巻頭挿画らしい
色刷の絵が一枚貼ってある。ベッドが八つ。それがいろいろ様式がちがう。窓の下に一列....
「浅草紙」より 著者:寺田寅彦
ペーパーや広告の散らし紙や、女の子のおもちゃにするおすべ紙や、あらゆるそう云った
色刷のどれかを想い出させるような片々が見出されて来た。微細な断片が想像の力で補充....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
っていた。
マリユスがのぞいてる穴の隣のすみには、黒い木の枠《わく》にはいった
色刷りの版画が壁にかかっていた。その下の端には「夢」と大字で書かれていた。それは....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
営の状況をフィルムで紹介する事である。動力工場の成り立ち、機関車、新聞紙、書籍、
色刷挿画はどうして作られるか、発電所、ガラス工場、ガス製造所にはどんなものがある....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
えば、まず海の緑、空の紺青、砂の灰――とこの三つしかない。ところが支倉君、この三
色刷を見詰めているとだ。どうやら碑銘を読んでくれる、死人の名が判ったような気がし....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
」 と壁に貼り付けてある写楽の絵で、岩井喜代太郎が扮している、「関本おてる」の
色刷を見て、 「だいぶ安手な写楽のようだが、聴くところだと、喜代太郎はそれほどの....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
て、見たが、版がわるい上に、紙も子供の手習いにも使えぬ粗末なもので、むろん黒の一
色刷り、浪花節の寄席の広告でも、もう少し気の利いたのを使うと思われるような代物だ....
「あのころ」より 著者:上村松園
ましたが、とき折り私が借りた本を返しにゆくと、 「えらいすまんな」 といって、
色刷りの絵をくれたりしました。店にはずいぶんたくさんの本があり、私の好きな絵本も....