»
色取
「色取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色取の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ら染、友禅染《ゆうぜんぞめ》など元禄時代に起ったものに見られるようなあまり雑多な
色取《いろどり》をもつことは「いき」ではない。形状と色彩との関係は、色調を異にし....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
たが、澄み切って底まで見える。いつの間に附着したものやら底も縁も青い苔《こけ》で
色取られている。橋本と余は容赦なく湯の穴へ飛び込んだ。そうして遠くから見ると、砂....
「食魔」より 著者:岡本かの子
濁りの流勢は河原の上を八千岐に分れ下へ落ちて行く、蛇籠に阻まれる花|芥の渚の緑の
色取りは昔に変りはないけれども、魚は少くなったかして、漁る子供の姿も見えない。堤....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
う存じます」 旦「いや何うもお礼では痛み入ります」 三「お母さん何か一寸お飯物を
色取りして何うか……」 婆「はい畏りました……ちょいとあの美代吉や下りてお出で、....
「農村」より 著者:宮本百合子
あげて参じ様と思いましてない。 「蓋に紙が張ってあったんだろう。 「ありやした、
色取った紙が。 「その紙をあけると、蚤取り粉の曲物《まげもの》の様に穴の明いた蓋....
「蛋白石」より 著者:宮本百合子
帯の上は柔かそうにふくれてズーッとのばして膝の上で組み合わせた手がうす赤い輪廓に
色取られて小指のオパアルがつつましく笑んで居た。のびやかな、明るい、千世子の姿に....
「新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
どうにも咽喉に這入りかねるものであった。 御膳が出て御馳走が色々並んでも綺麗な
色取りを第一にしたお正月料理は結局見るだけのものである。 二、三軒廻って吸物の....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
からない。 汽車弁当というものがある。折詰の飯に添えた副食物が、色々ごたごたと
色取りを取り合せ、動物質植物質、脂肪蛋白|澱粉、甘酸辛鹹、という風にプログラム的....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
たのを四色とそれでちょうど四九三十六品になりますね。その外にお香《こう》の物を四
色取揃えて椎茸《しいたけ》の御飯でも炊きましょう」大原「どうぞそうして下さい。そ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
固く手で押付けてその上へ酢漬《すづけ》の刺身と外に玉子焼の短冊に厚く切ったものと
色取りに紅生姜を混ぜて御飯の見えないように並べます。それへ蓋をして軽い圧《お》し....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
出す。
また花も葉もゆらぐ珠を一ぱい持っている深みが、
一皮一皮と剥がれるように
色取を見せて来る。
己の身のまわりはまるで天国になるなあ。
上を見ればどうだ。....