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色恋
「色恋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色恋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ののろけ話さ。どうせのろけだから、面白い事はない。
あれは不思議だね。夢の話と
色恋の話くらい、聞いていてつまらないものはない。
(そこで自分は、「それは当人以....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
承知していた。半九郎が今まで自分を優しく庇《かば》ってくれたのは、世にありふれた
色恋とは違って、弱い者を憐れむという涙もろい江戸かたぎから生み出されていることは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ねえ」と、源次は首をひねった。誰のかんがえも同じことで、舐め筆の娘の変死はいずれ
色恋のもつれであろうと彼は云った。 「そこで、自分で毒を食ったのか、それとも人に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
気になりました。若旦那とお冬どんと和吉と、この三人を結びつけると、どうしても何か
色恋のもつれがあるらしく思われましたから、まずお冬どんに逢ってそれとなく訊いて見....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「どうも判らねえようですね。今も田町の重兵衛の子分に逢いましたが、重兵衛はなにか
色恋の遺恨じゃあねえかと、専らその方を探っているそうです。なるほど、お作はあんな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
手紙かと訊いても、彼女はやはり強情に答えなかった。 まだ十三の小娘で、まさかに
色恋の文ではあるまいと思うものの、彼女が強情に隠しているだけに、小左衛門は一種の....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
覚えぬのである。まして憎からぬ人と肩肘並べて働けば少しも仕事に苦しみはない。よし
色恋の感情は別としても、家じゅう気をそろえて働けば互いに心持ちよく、いわゆる一家....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
は、ほとんどみな、直接間接にこの独占欲の争いにもとづく。これは世間の正直な人々の
色恋の争いと何の変りもない。 どこの監獄の囚人の間にも、この種の色情はずいぶん....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ついていて、一層寂れた。鵜の啣えた鮎は、殺生ながら賞翫しても、獺の抱えた岩魚は、
色恋といえども気味が悪かったものらしい。 今は、自動車さえ往来をするようになっ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
の蛇なんぞを、」 「ははあ、少いものでなくっちゃ、利かないかね。」 「そりゃ……
色恋の方ですけれど……慾の方となると、無差別ですから、老年はなお烈しいかも知れま....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
吉には、はやく女房がある。しかり、女房があって資産がない。女房もちの銭なしが当世
色恋の出来ない事は、昔といえども実はあまりかわりはない。 打あけて言えば、渠は....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
いは迷いでしょうが、色の、恋のというのじゃありません。これは言訳でも何でもない、
色恋ならまだしもですが、まったくは、何とも気味の悪い恐しい事が出来たんです。」 ....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
をかしげた。 お兼はひとり娘で、親たちにも可愛がられている。まだ十一の小娘では
色恋でもあるまい。それらを考えると、どうも自分の一料簡で家出や駈落ちをしそうにも....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
蕾をこぼしたのなら知らない事――草稿持込で食っている人間が煮豆を転がす様子では、
色恋の沙汰ではありません。――それだのに……」 境辻三は、串戯ではなさそうに、....
「影」より 著者:岡本綺堂
トルで殺した……。 おつや まあ呆れたわねえ。なんで女給を殺したんだろう。いずれ
色恋のいきさつでしょうね。 青年乙 まあ、そうだろうな。男は自分の店から千円ほど....